まさに外道

まさに外道：インターネットミームの系譜

「まさに外道」とは、日本の匿名掲示板『ふたば☆ちゃんねる』発祥の、独特の面白画像・コラージュ画像、およびその二次創作の総称です。特に、コラージュ画像の中心に登場するコーカソイドの赤ちゃんは「外道ベイビー」や「赤さん」と呼ばれ、親しまれています。

謎の赤ちゃんの起源

このコラージュの元となった赤ちゃん画像の初出は不明ですが、2001年頃の『ふたば☆ちゃんねる』初期に投稿されたと推測されています。最初の画像は、赤ちゃんが尊大な態度で「赤ちゃんではなく赤さんと呼べ」と発言するものでした。しかし、この画像を基に、赤さんが周囲の人々の不幸を嘲笑したり、親切を装って嫌がらせをしたりする、数々の二次創作が制作されました。これらの作品では、画像の左下に「まさに外道」というナレーションが入るのが特徴となっています。

「まさに外道」の語源

「まさに外道」というフレーズは、漫画家・漫☆画太郎氏の作品『地獄甲子園』『第六獄 犬とオヤジの名前決定！！！の巻』に由来します。作品中で、外道高校の監督が読者への約束を破り、キャラクターを殺害する際にこのフレーズを使用していることから、インパクトのある言葉としてインターネット上で定着しました。

赤さんの正体

長らく不明だった赤さんの正体は、2010年に判明しました。アメリカ合衆国フロリダ州在住の男性が開設するサイトに、2000年に掲載された写真であることが確認されたのです。写真の赤ちゃんは、スティーブン・ロバート・ルート（1999年10月25日生まれ）という、アレンさんと夫人の間に生まれた男児でした。アレンさんは、息子の写真が日本でコラージュ素材として使われていることを認識しており、困惑しつつも問題視せず、むしろ好意的に受け止めていると語っています。スティーブン自身も、母親から自分の写真が「ある意味流行している」ことを聞かされているとのことです。

拡散と派生

「まさに外道」は『ふたば☆ちゃんねる』にとどまらず、他の匿名掲示板や、画像アップローダー「カサマツ☆アップローダ」などでも広く使用されました。ファイルが見つからない場合や直リンク禁止の警告などに用いられるようになり、認知度が飛躍的に向上しました。

さらに、セリフを入力すると自動的に「まさに外道」画像が作成されるジェネレーターも登場し、アスキーアートも制作されるなど、多様な二次創作が生まれています。

意外なコラボレーション

元ゲイ・ポルノ俳優のビリー・ヘリントンを題材にしたMADムービー「本格的 ガチムチパンツレスリング」でも、「赤さん」の顔が使用されています。マックスファクトリーがヘリントンのfigmaを発売した際、付属パーツとして「赤さん」を希望する声があったものの、肖像権の問題で実現しませんでした。

まとめ

「まさに外道」は、匿名掲示板から生まれたインターネットミームとして、独特の進化を遂げました。謎の赤ちゃん画像、漫画作品からの引用、そして海外の反応など、その歴史は複雑で興味深いものです。このミームが持つ、ユーモラスで少し皮肉めいた雰囲気は、インターネット文化の多様性を象徴していると言えるでしょう。今後も、新たな派生作品が生まれる可能性を秘めた、魅力的な存在です。

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