まめぶ汁

まめぶ汁とは

まめぶ汁（まめぶじる）は、岩手県の久慈市山形町や九戸郡に伝わる伝統的な郷土料理です。この料理は、特に冠婚葬祭などの特別な行事で食べられることが多く、地域の文化と深く結びついています。

料理の特徴

まめぶ汁の中心的な要素は「まめぶ」と呼ばれる団子で、これはクルミと黒砂糖を詰めたものです。この団子は多様な食材とともに、昆布と煮干しの出汁でじっくりと煮込まれます。出汁の深い味わいが、団子や野菜にしっかりと染み込み、心温まる一品に仕上がります。特に、団子の大きさや出汁の種類は、慶事や凶事に応じて変化するのが特徴です。慶事では団子を大きく、凶事では小さくすることで、お祝いかお悔やみかを示します。これは地域の人々の思いが込められた料理の一部といえるでしょう。

歴史と背景

もともとは旧山形村（現在の久慈市山形町）や旧久慈市西部で作られていたまめぶ汁ですが、2010年ごろからじわじわと久慈市全体で知られるようになりました。特に2011年に発生した東日本大震災の際には、炊き出しとして広まり、コミュニティのつながりを深める役割を果たしました。また、2013年のNHK連続テレビ小説『あまちゃん』では、北三陸市の名物料理として取り上げられたことで、全国的にその名が知られるようになりました。このドラマのヒットと相まって、まめぶ汁は一気に人気を博しました。さらに、まめぶ汁は同年に開催されたB-1グランプリに正会員として参加、2013年大会では過去最高の第5位を獲得するなど、評価も高まっています。

まめぶ汁の作り方

まめぶ汁の基本的な材料は、以下の通りです：

• - 小麦粉 100匁
• - クルミ 40匁
• - 黒砂糖 少々
• - ニンジン 40匁
• - ゴボウ 40匁
• - 乾し椎茸 5匁
• - かんぴょう 4匁
• - 焼き豆腐 60匁
• - 出汁（すましまたは昆布出汁）
• - 澱粉

まず、かんぴょうと椎茸は水で戻し、食べやすいサイズに切ります。次に、小麦粉をぬるま湯で捏ね、ひと口大にちぎって丸めます。この生地を伸ばし、クルミと黒砂糖を包み込むように丸めます。これが「まめぶ」です。

続いて、ニンジンやゴボウ、かんぴょう、椎茸を煮込み、これらの野菜が柔らかくなるまで待ちます。野菜が煮えた頃合いに、まめぶと焼き豆腐、油揚げを加え、さらに煮込みます。最後に、醤油またはすましで味を整え、澱粉でとろみをつければ完成です。定番の郷土料理をぜひ一度ご自宅でも作ってみてください。心温まる味わいが、家族や友人との楽しい時間を演出してくれることでしょう。

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