みだらしだんご

みだらしだんごの魅力

みだらしだんごとは、岐阜県の飛騨地方で広く食べられている特有の団子です。この団子は、串に刺さった形状を持ち、醤油の風味が特徴的です。現地では、単に「みだらし」と呼ばれることも多く、甘いお菓子というよりは主に軽食のように扱われています。また、愛知県名古屋周辺や岐阜県南部でも「みたらし」という名称で同様の団子が存在します。

特徴と製法

この団子は、基本的に米粉と水またはお湯を混ぜてこねた生地を蒸し、丸めたものから作られます。一串には通常5個が刺され、団子の直径は約3～5cmです。炭火で軽くあぶった後、特製の醤油だれにくぐらせ、再度あぶります。この際に、表面がこんがりと良い色味になると、香ばしさも増し、食べごろとなります。

タレは主に醤油がベースとなり、深い味わいが口の中に広がります。これらのみだらしだんごは、もともとは保存食として作られたもので、豊かな歴史を秘めています。以前は、様々な種類の団子が地域ごとに作られていましたが、みだらしだんごの製法が現代まで受け継がれています。

地域性と流通

みだらしだんごは、特定の地域に根ざした食文化であり、全国的に広まるのは難しいとされています。それは、保存性が限られるため、地元で消費されることが多いからです。このため、旅行などで現地を訪れなければ味わえない機会がほとんどです。

愛知県名古屋では、1970年代に名鉄名古屋駅のプラットフォームで「みたらし」という名前で醤油味の焼き串団子が販売されていました。現在でも名古屋の大須では同じようなみたらしが楽しめる店舗があります。しかし、名古屋の「みたらし」は甘さを伴う団子とは異なり、独特の風味を持つことから、地域特有の認識が生まれています。

販売場所と文化的側面

高山市や飛騨市（旧古川町）には、みだらしだんごを専門に扱っている店が多数あります。特に旧高山市の「高山市三町伝統的建造物群保存地区」や高山陣屋前では、見かける小さな屋台が特徴的です。NHKの朝の連続テレビ小説『さくら』では、主人公がみだらしだんごを手に入れるシーンがあり、その舞台にも実際の飛騨市にある店舗が使用されました。

地元の人々にとって、この団子は家庭や地域の文化を映し出す重要な存在であり、その味わいは、食べることでしか体験できない貴重なものです。豊かな風味と歴史的背景を持つみだらしだんごは、今後も多くの人に愛され続けることでしょう。

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