米粉

米粉：グルテンフリー時代の万能食材

米粉は、米を製粉して作られる穀粉です。和[[菓子]]や餅、パン、麺類など、様々な食品の原料として古くから利用されてきました。近年では、グルテンフリー食への関心の高まりや、セリアック病の認知度向上に伴い、米粉を使った食品が見直され、その需要が大きく伸びています。

米粉の種類

米粉は、うるち米ともち[[米]]の2種類から作られます。それぞれ異なる性質を持つため、用途も様々です。

もち[[米]]から作られる米粉:

白玉粉（寒ざらし粉）: 水で洗って乾燥させたもち[[米]]を粉砕したもの。白玉団子などに使用されます。
餅粉（求肥粉）: もち[[米]]を洗って乾燥させ、臼で挽いたもの。餅や求肥に使われます。餅粉と求肥粉は、粒子の大きさなどに僅かな違いがあるとする意見もありますが、多くの製粉業者や和[[菓子]]店では区別なく扱われています。
道明寺粉: 蒸したもち[[米]]を乾燥、粉砕したもの。柏餅などに使われます。
寒梅粉: 焼いた餅を砕いた粉。上品な食感の和[[菓子]]に使用されます。
落雁粉: 洗米、浸水、蒸したもち[[米]]を乾燥、粉砕し、白煎りしたもの。落雁などの干[[菓子]]に使われます。
微塵粉（みじん粉）: きめ細かい粉。
リ・ファリーヌ・レジェール: フランス語で「軽い米粉」を意味する、特別な製法で作られた米粉。

うるち米から作られる米粉:

上新粉（上用粉）: うるち米を挽いたもの。上品な食感の和[[菓子]]や、米粉パンなどに使用されます。
かるかん粉: 軽羹を作るための米粉。
乳児粉（乳児穀粉）: 乳幼児向けの米粉。
リ・ファリーヌ: フランス語で「米粉」を意味する、特別な製法で作られた米粉。

米粉の用途

米粉の用途は非常に広範囲に渡ります。

もち[[米]]粉の主な用途:
和[[菓子]]（餅、羊羹、薯蕷饅頭、煎[[餅]]、団子、干[[菓子]]など）

うるち米粉の主な用途:
一部の和[[菓子]]（軽羹など）
米粉麺（ビーフン、フォーなど）
ライスペーパー
スナック[[菓子]]、煎[[餅]]
洋[[菓子]]（クッキー、ケーキ、パンケーキなど）
米粉パン（山食、角食、総菜パンなど）
米粉麺（うどん風、ラーメン風、パスタ風など）
餃子の皮、焼売の皮、ピザ生地
アイスクリーム
米粉カレー、米粉グラタン、米粉チヂミ、米粉天ぷら、米粉ホワイトソース、唐揚げ、お好み焼きなど、様々な料理。

米粉の製造方法

米粉の製造方法は、大きく分けて以下のものがあります。

胴搗製粉方法（石臼杵搗き）
ロール製粉方法
気流粉砕製法（ジェットミル）
水びき
* 高速粉砕機（ピンミール）

他にも、独自の製法や企業秘密の製法など、様々な方法があります。用途によって最適な製法が選択されます。

日本における米粉

日本では、従来、米粉の原料には粒食に適さない「網下米」や「くず米」などが使用されてきました。しかし近年では、粒食としても使用可能な良質な米を原料とするケースも増えています。

2008年の事故[[米不正転売事件]]では、事故米が米粉に流れたとの指摘があり、米粉の原料管理の重要性が改めて認識されました。2009年には、「米穀の新用途への利用の促進に関する法律」が成立し、米粉の利用拡大に向けた取り組みが進められています。

近年では、製粉技術の進歩により、従来の上新粉よりも小麦粉の代用として使いやすい微細粉米粉が注目されています。

米粉の海外事情

欧米では、米粉はグルテンフリー食品の原料として広く利用されています。イギリスでは低グルテン製品への需要が高く、フランスではオーガニックへの関心が強いという違いが見られます。欧州ではEU共通のグルテンフリー認証があり、アメリカではグルテンフリー認証機構(GFCO)による認証があります。

タイでは、米粉を使った様々な伝統菓子があります。(例: カノムクロック、カノムブアン、カノムサイサイ、カノムチャン、カノムターン)

米粉粘土

幼児教育用の粘土として、安全性を考慮した米粉粘土があります。小麦アレルギーのリスクを軽減するために、小麦粉粘土の代替として利用されています。

まとめ

米粉は、その多様な種類と用途から、食品業界において重要な役割を果たしています。グルテンフリー食の需要の高まりとともに、今後ますます注目を集めることが予想されます。

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