みんなの銀行

株式会社みんなの銀行

株式会社みんなの銀行（英：Minna Bank, Ltd.）は、ふくおかフィナンシャルグループ（FFG）に属する新しい形態のネット銀行で、2021年5月28日にサービスを開始しました。この銀行はデジタルバンクであり、近年のフィンテックの進展を背景に、特に地方銀行が直面するさまざまな挑戦に応じた新たなビジネスモデルを模索しています。

背景と設立の経緯

地方銀行は、急速な人口減少に伴い従来のビジネスモデルが持続可能でなくなるという厳しい状況に直面しています。母体であるふくおかフィナンシャルグループは、福岡[[銀行]]と熊本ファミリー銀行の統合を皮切りに、さまざまな銀行の買収を通じて規模を拡大し、問題の解決を図ってきました。しかし地方銀行同士の統合では根本的な解決には至らず、銀行の新たな役割を見据えた取り組みが求められていました。

さらに、技術革新により金融業務の参入障壁が低下し、従来からの金融機関の存在意義が薄れつつあります。このような状況を踏まえ、FFGは独自のフィンテックサービスであるiBank事業を進め、デジタルトランスフォーメーションに力を入れています。「Wallet+」という資産管理アプリの開発・提供を行った経験を活かし、新たな顧客層の開拓及びフィンテックの利活用を進めることが目的です。これが、地方銀行として初のネット銀行「みんなの銀行」の設立につながっています。

銀行の特徴とサービス

みんなの銀行は、特にデジタルネイティブ世代と言われる若い世代の顧客をターゲットにしており、完全にスマートフォンで完結するサービスを提供しています。新規の預金口座を開設するには、日本国内に住む15歳以上の国籍を持つ個人が必要で、対応するスマートフォンを所持していることが前提です。インターネットに依存したこの新たな形態は、利便性を最優先にしています。

具体的なサービス内容として、普通預金のWallet機能があり、そこに付帯するデビットカードを活用した取引や、別に設けられた目的別の貯蓄口座「Saving・Box」が存在します。また、みんなのCheer Boxでは、特定の名称を付けて預け入れた資金の一部が選択した団体への活動支援金として提供されるなど、地域貢献への取り組みも行っています。

テクノロジーの活用

みんなの銀行では、基幹システムにGoogle Cloud Platform（GCP）を採用し、Fintechを最大限に活用したシステムを構築しています。このプラットフォームは、主にアクセンチュアが開発した「アクセンチュア クラウドネイティブ コア ソリューション」をベースにしており、日本国内では初めてのフルクラウド型銀行システムの適用例となっています。これにより、国内外の金融機関や銀行サービスへの新たな参入を目指して、非金融事業者にもサービスを提供していく方針です。

現状の課題と目指す未来

開業からの目標は2023年度に単年度黒字化することでしたが、カードローン事業が想定外の難航を強いられ、赤字が拡大しているという報告があります。2024年3月時点で累積損失が約260億円に達しており、今後の経営改善に向けた戦略が重要な局面となっています。これに対して、みんなの銀行はフィンテックを駆使した新たなビジネスモデルの確立を進めており、グループ全体での将来像を追求しています。

まとめ

株式会社みんなの銀行は、デジタル化の波に乗ることで、従来の銀行業務を革新し、地域活性化を図る新たな銀行の形を提案しています。地方銀行の課題に対する数々の取り組みと、最新テクノロジーを駆使したシステムの導入は、今後の銀行業界において注目される姿勢となるでしょう。

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