ユキウサギ

ユキウサギ

ユキウサギ（学名：Lepus timidus）は、ウサギ目ウサギ科ノウサギ属に分類されるウサギの一種です。寒冷な気候に適応しており、北極圏や山岳地帯に生息しています。日本では亜種であるエゾユキウサギが北海道に分布しており、日本のウサギの中では最大の種として知られています。

分布

ユキウサギは、フェノスカンジアからシベリア東部にかけて広く分布しています。また、アルプス山脈、アイルランド、ポーランド、イギリス、そして北海道といった地域にも孤立した個体群が見られます。さらに、シェトランド諸島やフェロー諸島には移入された個体群が存在します。

形態

ユキウサギの体長は46cmから65cm、体重は1.6kgから4.0kg程度まで成長します。一般的にメスの方がオスよりもわずかに体重が重い傾向があります。

特徴的なのは、季節によって変化する体毛の色です。夏の間は茶褐色ですが、冬になるとほとんどの個体が白色に変わります。ただし、アイルランドに生息する亜種(Lepus timidus hibernicus)は、一年を通して茶褐色の毛色を保ち、一部の個体のみが白色に変化します。また、ユキウサギの尾は一年を通して白色であり、尾の上部が黒いヤブノウサギとの識別点となります。

生態

ユキウサギの食性は、生息する地域によって異なります。例えば、スカンジナビア北部のように積雪期間が長い地域では、木の小枝や樹皮を主な食料としています。一方、アイルランドのように降雪が少ない地域では、草が食性の大部分を占めます。スコットランドやアイルランドでは、特に草を好んで食べる傾向が強く、アイルランドの海岸草地での調査では、食性の90%以上を草が占めていたという報告があります。これは、同じ地域に生息するアナウサギよりも高い割合です。

フィンランドやスウェーデンの北部では、ユキウサギとヤブノウサギが生息地を巡って競合することがあります。一般的に、体の大きなヤブノウサギがユキウサギを追い払いますが、ヤブノウサギは積雪地帯への適応度が低く、脚が小さく、冬毛が白と褐色の混色であるため、雪深い環境下ではユキウサギの方が有利に立てます。ユキウサギは、雪が灌木を覆うフィンランドの海岸地帯で短い期間カモフラージュに成功しますが、内陸部の積雪に対してより適応しています。

ユキウサギは、スウェーデンのメーデルパッド地方の動物に指定されています。

分類

ホッキョクウサギは、かつてユキウサギの亜種と考えられていましたが、現在では独立した種として分類されています。同様に、アイルランド亜種を別種とする説もあります。現在、15の亜種が確認されています。

日本には、亜種であるエゾユキウサギが北海道に分布しています。エゾユキウサギは、日本のウサギ類の中では最大の種です。

参考文献

(参考文献の情報が提供されていれば、ここに記載します)

外部リンク

Irish Hare Initiative

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