アウガ

アウガ（AUGA）

アウガは、青森県青森市新町に位置する複合施設で、青森駅東口前に立地しています。再開発事業によって建設され、2001年に開業しました。

概要

アウガは、「青森駅前第二地区第一種市街地再開発事業」として、総事業費184.6億円をかけて建設されました。正面のデザインはニワトリをイメージしていると言われています。建物は、地下1階、地上9階の再開発ビルと、地上8階の駐車場棟から構成されています。

再開発ビルの地下1階には、以前この場所にあった「駅前市場」の店舗が入居する「新鮮市場」があります。1階から4階は青森市役所駅前庁舎、5階と6階は「青森市男女共同参画プラザ・カダール」、6階から9階は「青森市民図書館」（9階は書庫）として利用されています。

アウガは、空洞化した中心市街地に賑わいを取り戻すための「コンパクトシティ」構想の一環として建設されました。2007年には、路面電車を活用する富山市と共に、全国で初めて改正中心市街地活性化法の認定を受けるなど、コンパクトシティの象徴として注目され、多くの自治体や商店街関係者が視察に訪れました。

しかし、開業当初から赤字が続き、2015年度には大幅な債務超過となり、事実上の経営破綻状態に陥りました。この事態を受け、当時の青森市長が責任を取って辞任する事態に発展しました。運営母体も経営破綻し、アウガはハコモノ行政の典型的な失敗例として認識されるようになりました。

2017年には、ビルの運営再建のため、1階から4階までの商業スペースに入居していた店舗は全て営業を終了しました。その跡地には、青森市役所の窓口機能が移転し、現在に至ります。

コンパクトシティ政策との関連

アウガの失敗は、行政による商業施設運営の難しさや、第三セクターによる補助金頼みの経営体質が原因であるという意見があります。そのため、アウガの失敗が、そのままコンパクトシティ政策全体の成否に繋がるものではないという見方もあります。

一方で、アウガの失敗は、青森市のコンパクトシティ政策そのものの失敗を示すものだという評価もあります。アウガから少し離れた新町商店街は、空き店舗が目立つシャッター通りとなっており、中心市街地の活性化という目標は達成されていないという指摘もあります。

青森市のコンパクトシティ政策は、市街地の拡大による行政コストの増大を抑制するためのものでした。しかし、2003年から2013年の10年間で、中心市街地の歩行者数や夜間人口が減少するなど、期待された効果は十分に発揮されているとは言えません。

現在の状況

2018年以降、アウガの1階から4階には青森市役所の駅前庁舎が入居し、周辺は市職員や来庁者の往来が増加しました。しかし、周辺の飲食店への経済効果は限定的であるという指摘もあります。

営業中の店舗・施設（2018年1月4日時点）

9階: 青森市民図書館（書庫）
8階: 青森市民図書館（専門ライブラリー）
7階: 青森市民図書館（ポピュラーライブラリー、児童ライブラリー）
6階: 青森市民図書館（カウンター、ヤングアダルトライブラリー）、青森市つどいの広場「さんぽぽ」、青森公立大学「まちなかラボ」
5階: 男女共同参画プラザ「カダール」、青森市まちなか保健室
1階から4階: 青森市役所駅前庁舎
1階: 青森県信用組合 駅前支店
地下1階: 「新鮮市場」、レストラン・食堂

名称の由来

「アウガ」という名称は、Attraction（引きつける力）、Upbeat（上昇、陽気）、Gusto（心からの喜び）、Amusement（娯楽、楽しみ）という4つの英単語の頭文字を組み合わせたものです。「いつも笑顔と喜びにあふれ、多くの人々が引きつけられる魅力的な場所」というイメージが込められています。

まとめ

アウガは、開業当初の期待とは異なり、経営破綻という結果に終わりました。しかし、現在は青森市役所の駅前庁舎や図書館など、公共施設としての役割を果たしています。アウガの経験は、コンパクトシティ政策の難しさを示す一例として、今後の都市計画に活かされることが期待されます。

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