アクゾノーベル

アクゾノーベル：世界を彩る化学メーカーの歩み

アクゾノーベル社は、オランダ・アムステルダムに本社を置くグローバルな化学メーカーです。塗料分野において世界的な地位を確立しており、世界約60カ国で事業を展開しています。日本にも拠点を持ち、塗料事業に特化したアクゾノーベルコーティング株式会社を設立しています。その歴史は、1969年にさかのぼります。

設立と成長：二社の合併から世界企業へ

1969年、化学繊維メーカーのAKU社（Algemene Kunstzijde Unie）と、工業用塩などを製造していたKZO社（Koniklijke Zout Organon）の合併により、AKZO N.V.が設立されました。これは、アクゾノーベル社の礎となる重要な出来事でした。その後、着実な成長を続け、事業拡大を図っていきます。

1988年には、日本の市場進出を強化するため、ストウファー・ジャパン株式会社とアクゾの代理店メルカトール・インターナショナル日本支店が合併し、アクゾジャパン株式会社が発足しました。これは、日本市場における事業展開の重要な一歩となりました。

飛躍の転機：ノーベルインダストリーズとの合併

1994年、アクゾノーベル社の歴史における大きな転換期が訪れます。スウェーデンの化学メーカー、ノーベルインダストリーズAB社（Bofors社とKemaNobel社の合併により1984年に設立）との合併により、社名を現在の「Akzo Nobel N.V.」に変更しました。この合併は、アクゾノーベル社のグローバル展開を加速させ、事業規模を飛躍的に拡大させました。同年7月には、日本法人であるアクゾジャパン株式会社もアクゾノーベル株式会社に社名変更されました。

事業再編：戦略的な売却と買収

2007年、アクゾノーベル社は事業ポートフォリオの見直しに着手し、医薬品部門のオルガノン（Organon）をシェリング・プラウに売却しました。これは、事業の選択と集中を進める戦略的な決定でした。

一方で、積極的な買収戦略も展開しています。2008年には、イギリスの大手化学メーカーICIを買収し、事業規模をさらに拡大させました。この買収は、アクゾノーベル社のグローバル競争力強化に大きく貢献しました。

日本法人：塗料事業への特化

2018年には、日本法人において、塗料事業をアクゾノーベルコーティング株式会社として分社化しました。これは、事業の効率化と専門性の向上を目指した戦略的な措置でした。さらに同年、化学品事業を米国カーライル・グループに売却し、経営資源を塗料・コーティング事業に集中させることを発表しました。この決定は、アクゾノーベル社の事業戦略における大きな転換点となりました。

主要製品：セルロースと塗料

アクゾノーベル社の主要製品には、セルロース関連製品があります。建材用セルロースエーテル系保水増粘剤や、水系塗料用増粘剤、カルボキシメチルセルロースなど、幅広い用途で使用されている製品を提供しています。これらの製品は、建築、建設、工業など多様な産業分野に貢献しています。もちろん、塗料も主要製品であり、世界中で様々なニーズに対応する製品を提供しています。

アクゾノーベル社の未来

アクゾノーベル社は、持続可能な開発目標（SDGs）を意識した事業活動を展開しています。環境への配慮、社会貢献、そして企業倫理を重視し、持続可能な社会の実現に貢献していく姿勢を明確にしています。今後も塗料・コーティング事業を中心に、世界を彩る革新的な製品とサービスを提供し続けると期待されています。

アクゾノーベル社の今後の動向から目が離せません。

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