アグレコ

アグレコ（Aggreko plc）

アグレコは、英国グラスゴーに本社を置く非常用電源や緊急時電源機器、空調機器を提供する企業として、世界で最大規模を誇ります。この企業は、190以上の拠点を展開し、ロンドン証券取引所に上場しており（ティッカー: AGK）、FTSE250に組入れられる企業としても知られています。特に、オリンピックやサッカーのワールドカップなどの大規模イベントにおいて、重要な電力供給業者としての役割を果たしています。

事業の特徴

アグレコの事業は、大規模なイベントでの電力供給に特化しています。特に、欧州最大級のロックフェスティバル「グラストンベリー・フェスティバル」（2009年）、バラク・オバマ元大統領の就任式（2009年）、バンクーバーオリンピック（2010年）、NFLスーパーボウル（2011年）、ロンドンオリンピック（2012年）など、多くの重要なイベントでの電力供給に成功を収めてきました。また、災害や緊急時における発電設備の提供にも力を入れており、オーストラリアのブリズベンでの大洪水やニュージーランドのカンタベリー地震（2011年）などでも、その実績があります。2015年、グアムのカブラス発電所での事故後には、1年間の電力供給をグアム電力公社から受注しました。

日本での展開

アグレコは2002年の日韓ワールドカップにおいて、初めて日本市場に参入しました。その後、2020年の東京オリンピックでは、大会用仮設電源の設置と管理を担当する契約を結びました。2014年には日本法人「Aggreko Japan株式会社」と「Aggreko Events Service Japan株式会社」を設立し、東京（九段南）にオフィスを開設。さらに、茨城県常総市にはサービスセンターも設けています。アグレコは、ユーティリティー企業や製造業、化学会社を顧客に、様々なサイズの発電機や空調機器のレンタルサービスを展開しています。

東日本大震災への対応

2011年の東日本大震災後、アグレコは東京電力福島第一原発に200MWの電力を供給しました。また、茨城県と千葉県の火力発電所にそれぞれ100MW規模の簡易発電基地を設置し、全国規模の電力不足解消に寄与しました。東京電力の幹部は、アグレコの迅速な支援が原発事故の被害の拡大防止に貢献したことを評価しています。

沿革

アグレコは1962年にオランダで設立され、その名はオランダ語の「aggregaten」（ジェネレーター）に由来します。ビニールハウス用の発電機の提供から事業を開始し、1973年にはイギリスに進出しました。1980年代には北米やアジア太平洋地域への展開を始め、1990年代には20カ国以上に拠点を持ちました。2010年代には80カ国に達し、オリンピック時には専属のスポンサー企業として活動しています。

発電モジュールの特性

アグレコの発電ユニットは短期から長期にわたるレンタルが可能で、需要に応じた電力供給やバックアップ電源として利用されます。燃料はLNG、ディーゼル、重油と多様に対応し、海上コンテナ型の設計により運搬が容易です。移動式の発電機も提供しており、建設現場等でも使用されています。

このように、アグレコは非常用電源の業界において、国内外での大規模イベントや緊急時の発電所として不可欠な存在となっているのです。

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