アニコム損害保険

アニコム損害保険株式会社について

アニコム損害保険株式会社は、アニコムホールディングス傘下の完全子会社であり、日本で初めてペット保険を専門に取り扱う損害保険会社として設立されました。世界初の試みとして、人間の健康保険制度に着想を得た「窓口精算」システムを導入し、提携動物病院での会計時に保険適用後の金額のみを支払うことを可能にしました。これにより、ペットの医療費負担を大幅に軽減し、飼い主が安心してペットの治療を受けさせられる環境を整えています。

創業の経緯

アニコム損害保険は、2000年に設立された「動物健康促進クラブ（anicom）」が運営していたペット共済制度「anicomどうぶつ健康保障共済制度（どうぶつ健保）」を前身としています。改正保険業法の施行に伴い、共済から損害保険会社への転換を決意し、設立準備会社を経て、現在の損害保険事業を開始しました。

経営方針

アニコム損害保険は創業以来、「予防型の保険会社」を標榜しています。これは、ペットの病気や怪我による飼い主の「涙」を減らし、「笑顔」を増やしたいという強い思いに基づいています。過去の保険金支払データ分析を通じて、病気や怪我の予防を促進することで、飼い主の負担を減らすことを目指しています。この予防重視の姿勢は、創業者である小森伸昭氏が東京海上火災保険勤務時代に、保険料算定の基礎となる膨大なデータから、逆に予防策を契約者に提供できるのではないかと考えたことに端を発します。

シンボルマーク

アニコム損害保険のシンボルマークは、4つのハート型の「はっぱ」が十字状に組み合わされたデザインです。これは、アニコムグループの理念である「命」を表現しており、4枚の「はっぱ」は、分業協力する「命」の姿を表しています。カラーリングには、親会社のアニコムホールディングスと同様、「命」をイメージする植物の芽の色である「アニコムライトグリーン」が使用されています。

歴史

設立までの経緯

2000年4月に設立された「動物健康促進クラブ（anicom）」は、無認可共済として運営されていましたが、2006年の改正保険業法施行により、特定保険業者としての届け出が義務付けられました。これを受けて、「anicom」は損害保険業免許の取得を目指し、設立準備会社である「アニコムインシュアランスプランニング株式会社」を設立しました。

沿革

- 2001年7月: ペットショップ向けの幼齢ペットを対象とした共済商品「どうぶつ健保べいびぃ」の原型となる商品を提供開始。
- 2006年1月: 「アニコムインターナショナル（株）」（現アニコムホールディングス）の全額出資で、保険会社設立準備子会社「アニコムインシュアランスプランニング（株）」を設立。
- 2006年4月: 「アニコムインターナショナル（株）」からペット保険事業の営業基盤を「アニコムインシュアランスプランニング（株）」に委譲。
- 2007年12月26日: 「アニコムインシュアランスプランニング（株）」から「アニコム損害保険（株）」に商号変更し、金融庁から損害保険業免許を取得。
- 2008年1月: ペット保険「どうぶつ健保」の販売を開始（保険責任開始日は同年4月1日）。
- 2008年4月: ペット保険「どうぶつ健保」の補償を開始。
- 2009年1月: 公式Webサイト上からのオンライン加入サービスを開始。
- 2009年1月: ソニー[[損害保険]]との業務提携（代理店契約）を発表し、同月よりソニー損保を通じた販売を開始。
- 2010年3月: 親会社のアニコムホールディングスが東京証券取引所マザーズ市場へ上場。
- 2010年10月1日: 「どうぶつ健保ふぁみりぃ」の商品内容を改定し、補償割合の異なる複数のプランを提供開始。
- 2012年7月10日: 火災保険および地震保険の販売認可を取得。
- 2013年8月29日: 厚生労働省より「子育てサポート企業」として認定（「くるみんマーク」取得）。
- 2014年6月: 親会社のアニコムホールディングスが東京証券取引所本則市場第一部へ市場変更（昇格）。
- 2015年2月: 「どうぶつ健保はっぴぃ」の販売を開始。
- 2016年11月1日: 「どうぶつ健保はっぴぃ」の引受対象に新たな動物種を追加。
- 2017年5月17日: 「LINE」を利用した保険金直接請求受付を開始。
- 2017年6月13日: 「LINE」による「どうぶつホットライン」（獣医師相談サービス）を開始。
- 2017年10月2日: 入院・手術補償特化型商品「どうぶつ健保ぷち」の販売開始。
- 2019年9月17日: 高齢ペット向け保険「どうぶつ健保しにあ」の販売を開始。

保険の特徴

保険金請求

アニコム損保では、一般的な後日請求に加え、提携動物病院での「窓口精算」を導入しています。これにより、診察時に「どうぶつ健康保険証」を提示するだけで、保険適用後の金額のみを支払うことができ、飼い主の負担を軽減します。この窓口精算システムは、創業者が人間用健康保険制度から着想を得て実現したものであり、全国の動物病院の約9割で利用可能です。

取扱商品

アニコム損保では、以下の6つのペット保険商品を展開しています（2019年9月末時点）。

- どうぶつ健保ふぁみりぃ◎: 犬・猫・鳥・うさぎ・フェレットを対象とし、入院、通院、手術をカバーする標準的な商品。70%と50%の補償割合プランを用意。
- どうぶつ健保ぷち: 犬と猫を対象とする、入院・手術の補償に特化した商品。補償割合は70%。窓口精算およびLINEによる直接請求は対象外。
- どうぶつ健保べいびぃ◎: 満0歳の犬と猫を対象とし、入院、通院、手術をカバー。最初の1ヶ月間は全額補償で、時間外診療費も対象。
- どうぶつ健保すまいる（すまいるべいびぃ・すまいるふぁみりぃ）◎: 満0歳の犬と猫を対象としたペットショップ向けの保険。1ヶ月間の「すまいるべいびぃ」と1年間の「すまいるふぁみりぃ」を提供。
- どうぶつ健保しにあ: 満8歳以上の犬と猫を対象とする、入院・手術の補償に特化した商品。窓口精算に限定。
- どうぶつ健保はっぴぃ: 満2歳未満の小動物（鳥、うさぎ、フェレット、モモンガ、リス、ハムスターなど）を対象とし、入院、通院、手術をカバー。

加入年齢の上限

犬と猫は満7歳11ヶ月、鳥・ウサギ・フェレットは満3歳11ヶ月まで加入可能ですが、「どうぶつ健保しにあ」には年齢制限がありません。

保険期間と継続契約

「すまいる」を除く保険期間は1年間で、満期時に自動更新されます。継続契約では、入院・手術特化型以外は「どうぶつ健保ふぁみりぃ」に移行。ただし、「しにあ」は条件により「ふぁみりぃ」に移行可能です。継続契約には待機期間は適用されません。

新規契約時の共通事項

「どうぶつ健保ふぁみりぃ」「ぷち」「しにあ」の新規契約には告知義務と30日間の待機期間が設けられています。待機期間中は病気による入院・手術・通院は補償されません。

事件・不祥事

ペット保険金詐欺事件

2013年に、獣医師によるペット保険金詐欺事件が発生しました。この事件を契機に、アニコム損保は提携動物病院の不正チェック体制を強化しました。

アニコム損保の不祥事

- 個人情報紛失: 2008年と2012年に、顧客情報を含む書類の紛失や誤廃棄が発生しました。
- 社員による非行: 2011年に、社員が不適切な行為を行い、SNSに投稿したことが発覚しました。

広告活動

アニコム損保は、過去に子役の森迫永依さんをイメージキャラクターに起用していました。また、2016年にはJR山手線をジャックした「アニコムトレイン」を運行し、ペットのフォトコンテスト入賞作品を展示しました。

その他

アニコム損保は、オフィス内にライブカメラを設置し、オフィス内の様子を公開しています。また、本社エントランスはガラス張りで、オフィス内の様子が見えるようになっています。

脚注

外部リンク

- アニコム損害保険株式会社
- アニコム anicom Pet Insurance - Instagram
- ペット保険アニコム損保 - YouTubeチャンネル

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