アンドンクラゲ

アンドンクラゲ：透明な危険と対処法

アンドン[クラゲ]は、箱型クラゲの一種です。その名の通り、行灯のような形状をした傘を持ち、そこから4本の長い触手を伸ばします。体長は3～3.5cmと小型ですが、強力な毒を持ち、海水浴客にとって危険な生物として知られています。

アンドンクラゲの特徴

アンドンクラゲは、暖海性のクラゲで、強い遊泳力を持っています。黒潮に乗って日本近海に北上し、北海道付近まで分布を広げることがあります。特に6～8月、お盆の時期に多く出現することから、その名前が付けられたと言われています。

その特徴的な形状に加え、アンドンクラゲは透明な体を持つため、海中では見つけにくく、気づかないうちに刺されてしまうケースが多いです。そのため、海水浴やダイビングを楽しむ際は、特に注意が必要です。

人への危険性

アンドンクラゲは、カツオノエボシと共に「電気クラゲ」と呼ばれ、その毒の強さから恐れられています。刺されると、蜂に刺された程度の痛みから、激しい痛みを伴う場合まで様々です。患部はミミズ腫れになることもありますが、多くの場合は命に別状はありません。しかし、その痛みの強さから、一度刺されると強い印象を残すことが多いです。

アンドンクラゲは群れで行動することもあり、大量のアンドンクラゲが出現した場合、海水浴場が閉鎖されることもあります。特に、お盆時期以降の海水浴は、アンドンクラゲの出現頻度が高いため、注意が必要です。

地域によっては、アンドンクラゲを「イラ」や「イセラ」と呼ぶこともあります。「イラ」は、その痛みを植物の棘に例えた呼び名です。

アンドンクラゲの近縁種

アンドンクラゲには、沖縄に生息するハブクラゲや、オーストラリア北部に生息し「殺人クラゲ」として恐れられているオーストラリアウンバチクラゲなど、近縁種がいます。これらのクラゲも強力な毒を持つため、注意が必要です。

刺された時の対処法

アンドンクラゲに刺された場合は、以下の対処法に従ってください。

1. 速やかに陸に上がります。
2. 海水をかけて、触手を除去します。ボードやタオルなどを使うと効果的です。
3. 患部を冷やします。
4. 食用酢で患部を洗い流します。酢には、アンドンクラゲの刺胞の発射を抑制する効果があるとされています。ただし、全てのクラゲに有効とは限りません。

医療機関を受診するかどうかは、症状の程度によって判断してください。激しい痛みや呼吸困難などの症状がある場合は、すぐに医療機関を受診することが重要です。

まとめ

アンドンクラゲは、その透明な体と強力な毒を持つ危険なクラゲです。海水浴やマリンスポーツを楽しむ際は、アンドンクラゲの存在を常に意識し、安全に配慮することが大切です。刺された場合は、適切な処置を行い、必要に応じて医療機関を受診してください。

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