アンブレイカブル

映画『アンブレイカブル』について

『アンブレイカブル』（原題: Unbreakable）は、2000年に公開されたアメリカのサスペンス映画で、M・ナイト・シャマランが監督を務め、ブルース・ウィリスが主演を果たしました。この作品は、シャマラン監督の知名度をさらに高めた映画の一つであり、前作『シックス・センス』に続く作品として位置づけられています。作品名の「アンブレイカブル」は「壊れない」という意味で、主人公の独特な性質を表しています。

ストーリーの概要

物語は、フィラデルフィアで発生した列車事故から始まります。この事故により、乗客131人が命を落とすという悲劇が起きました。その中で、デヴィッド・ダンという中年の警備員だけは、驚くことに一切の傷も負わずに生き残ります。事故の後、デヴィッドは自らの運命を変えようとし、日常を送っていましたが、そんな折、彼のもとにイライジャという名の男から手紙が届きます。

イライジャ・プライスは、漫画を愛するコレクターでありながら、骨形成不全症という病気を抱える人物です。彼は生涯の間に94回も骨折を経験してきたため、とても体が脆く、外出もままならない生活を強いられています。このような背景から、イライジャは物語の中でヒーローという存在について考察し、デヴィッドこそがそのヒーローであると信じるようになります。

デヴィッドとイライジャの出会い

デヴィッドは、彼の主張に最初は懐疑的でしたが、自分が病気や怪我に一度も見舞われていないこと、そして無意識のうちに危険を察知できる特異な能力を持っていることに気づき始めます。特に、かつてアメフトの選手でありながら、交通事故でそのキャリアを断たれた自身の辛い過去を思い返す中で、彼はイライジャの意見を徐々に受け入れかけます。

デヴィッドが自らの能力を確信する瞬間も訪れ、彼は愛する家族とともに歩む中で、無名の少女を救出することに成功します。この出来事をきっかけに、デヴィッドはメディアに謎のヒーローとして取り上げられるようになります。

真実と裏切り

しかし、物語のクライマックスはイライジャとの再会の場面で訪れます。デヴィッドがイライジャに感謝の意を示そうとギャラリーを訪れた際、彼は彼が仕組んだ過去の事故の真相を知ります。イライジャは、数々の悲劇を引き起こすことで、真のヒーローを見つけ出そうとしていた人物だったのです。この発見によって、デヴィッドは自らが信じていたヒーロー像との間に亀裂が入り、二人の関係は一変します。

評価と影響

『アンブレイカブル』は、公開当初は単独の作品と見なされていましたが、その後、『スプリット』や『ミスター・ガラス』といった続編が制作され、三部作としての意味合いを持つようになりました。映画は、キャラクターの心理的な深みや、ヒーローに対する新たな解析を提供し、観客に強い印象を残しました。

鑑賞後、作品に対する感想や考察が巻き起こるのも、この映画の大きな魅力の一つと言えるでしょう。

もう一度検索