イトーヨーカドー帯広店

イトーヨーカドー帯広店：歴史と地域への影響

イトーヨーカドー帯広店は、かつて北海道帯広市に存在した総合スーパー（GMS）です。1975年（昭和50年）にイトーヨーカドーの道内1号店として帯広駅前に華々しくオープンしました。

沿革

1975年：帯広市中心部の商業ビルに、キーテナントとして初代店舗を開店。イトーヨーカドーの北海道進出の先駆けとなりました。
1998年：日本甜菜製糖が所有する旧帯広製糖所跡地の商業施設「ニッテンスズランプラザ」へ移転。郊外型の大型商業施設として新たなスタートを切りました。
2004年：隣接地に「フレスポ・ニッテン」がオープン。一大ショッピングセンターを形成し、地域住民の生活を支えました。
2023年9月25日：イトーヨーカドー本社が、2024年6月末での閉店方針を決定。地域に衝撃が走りました。
2024年2月1日：同年6月30日での閉店を正式に発表。長年の歴史に幕を閉じることとなりました。
2024年6月30日：閉店。建物所有者の日本甜菜製糖は、テナントの継続について既存業者や新規業者と交渉を開始しました。後継店舗として、地元スーパーのダイイチが2024年9月末を目途に出店する方向で調整が進められました。
2024年9月27日：食品売り場の後継テナントとして、ダイイチ稲田店が先行オープン。旧イトーヨーカドー帯広店1階の食品フロアだったスペースを利用して開店し、地域住民の生活を支える役割を引き継ぎました。同時に、イトーヨーカドー時代からのテナントであった六花亭、宮文、エンパイアーが営業を再開し、賑わいを取り戻しました。
2025年4月24日：後継施設となる「フレスポ スズランプラザ」がオープン予定。テナントの8割が埋まり、新たな商業施設として生まれ変わります。
2025年夏：全面開業予定。地域に新たな賑わいをもたらすことが期待されています。

移転前の初代店舗

初代店舗は、帯広地方裁判所跡地に建設された立体駐車場およびバスターミナルと一体化したビルに出店していました。イトーヨーカドーの北海道進出1号店として、その開業は地元に大きな衝撃を与え、「ヨーカドーショック」と呼ばれるほどでした。

1970年代から1990年代にかけては、藤丸と共に中心市街地の核となり、集客力を発揮。最盛期には売上高約120億円を記録し、市内の大型店の売上高の約半分を占めるほどでした。映画『幸福の黄色いハンカチ』にも外観が撮影されたシーンがあり、地域住民にとって馴染み深い存在でした。

しかし、自動車社会への移行や郊外店の台頭により、中心市街地の集客力が低下。駐車場の面で不利な立地となり、1997年には売上高が約65億円まで減少しました。初代店舗の閉店は、中心市街地の集客力低下に拍車をかける要因となりました。

新店舗への移転

自動車社会への対応として、平面駐車場を持つ郊外型の新店舗への移転が決定。日本甜菜製糖帯広工場跡地に建設された「ニッテンスズランプラザ」に核店舗として迎えられました。新店舗は、売場面積約14,900m2、駐車場2,200台を併設し、イベントホールも設置されました。

初代店舗閉店の影響とその後

初代店舗の閉店は、隣接する駐車場の利用減少や八丁目線の歩行者通行量の減少など、中心市街地に大きな影響を与えました。閉店後、後継店舗が見つからず空き店舗の状態が続き、建物の所有者が経営破綻する事態となりました。

その後、様々な再開発計画が持ち上がり、2014年には東京の不動産賃貸業者が落札。2016年には札幌の不動産業者が取得し、再開発事業がスタートしました。2020年には「帯広経済センタービル」が竣工し、分譲マンションや商業施設が建設され、新たな賑わいを取り戻しつつあります。

アクセス

十勝バス「イトーヨーカドー前」バス停下車
* JR帯広駅から車で約10分

イトーヨーカドー帯広店は閉店しましたが、その歴史は地域住民の記憶に深く刻まれています。跡地の再開発が進み、新たな商業施設がオープンすることで、帯広の街は再び活気を取り戻すことが期待されています。

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