インキュベイトファンド

インキュベイトファンドは、日本のベンチャーキャピタルとして、主に創業初期段階のスタートアップ企業への投資および成長支援を目的として活動しています。

概要

このファンドは、赤浦徹氏、本間真彦氏、和田圭祐氏、村田祐介氏といった経験豊富なメンバーにより設立されました。2021年3月からは、ポール・マクナー二氏も代表パートナーに加わり、体制を強化しています。同ファンドは、これまでラクスルやGameWithなど、時価総額が1,000億円を超える規模に成長した企業を支援してきた実績を持っています。

インキュベイトキャンプ

インキュベイトファンドの活動の中でも特に知られているのが、合宿型のアクセラレータープログラム「インキュベイトキャンプ」です。これは、起業家と投資家が創業のごく初期段階から密接なパートナーシップを築き、共に事業を創り上げていくことを目指して立ち上げられました。最大の特徴は、単なる研修ではなく、一泊二日の合宿形式で、優秀な参加者にはその場で投資実行が伴う点にあります。

プログラム開始当初はシード期の資金提供が中心でしたが、近年の起業環境や事業トレンドの変化に対応し、支援内容は拡充されています。現在では、数千万円から十億円単位に及ぶ大規模な資金提供を含む、『起業家/投資家合同経営合宿』として運営されており、より深く、より広範な支援を提供しています。

このプログラムは2010年に第1回が開催されて以来、継続的に実施されています。例えば、2020年9月に開催された第13回キャンプでは、参加した16名の起業家に対し、合計で9.5億円という多額の資金調達が実現しています。これは、プログラムの高い効果と、参加企業の質の高さを物語る実績と言えるでしょう。

インキュベイトキャンプ出身企業の成果

インキュベイトキャンプを経験した企業や起業家の中からは、既に多くの成功事例が生まれています。株式公開（IPO）を果たした企業としては、ラクスル（松本恭攝氏）やGameWith（小泉卓也氏）などが挙げられます。

また、M&A（MA）によるエグジット事例も多数あります。過去のキャンプ参加企業の中には、メルカリ（Zawatt）、イグニス（UNOTE）、フジメディアホールディングス（Grood）、クルーズ（ベストスタイルミー、Candle）、朝日新聞（サムライト）、ヒューチャー（コードキャンプ）、ゼビオ（vivit）、KDDI（コネヒト）、LINE（Gatebox）、マネーフォワード（スマートキャンプ）、GMO（TownWiFi）、CUEBIC（パラソル）など、名だたる企業グループに加わった例が見られます。

これ以外にも、インキュベイトキャンプからはFabricTokyo（森雄一郎氏）、HADO、ペライチ、DroneAgent、エアークローゼット、ミナカラ、office de yasaiといった、多様な分野で活躍する企業や起業家を輩出しています。

主な投資実績（ポートフォリオ）

インキュベイトファンドは、インキュベイトキャンプ以外にも幅広い企業への投資を行っています。ファンドのポートフォリオ全体における主な実績は以下の通りです。

IPO実績企業
Aiming
ceres
アクセルマーク
サイボウズ
ファンコミュニケーションズ
ダブルスタンダード
GameWith
ゴルフパートナー
Gumi
メドレー
みんなのウエディング
SANSAN
VOYAGE GROUP
トヨクモ

MA実績企業
Bizer
Cinnamon
コードキャンプ
コマース21
コインチェック
FabricTokyo
EMOSIV
Gatebox
KAUMO
レレレ
KidsColor
MISOCA
ORIGAMI
PLUCKY
ポケラボ
TownWiFi
vivit
sider

これらの実績は、インキュベイトファンドが日本のスタートアップエコシステム、特に創業初期の段階において、重要な役割を果たしていることを示しています。独自のプログラムと積極的な投資活動を通じて、次世代を担う多くの革新的な企業や起業家の誕生と成長を支えています。

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