インタープロトシリーズ

インタープロトシリーズ (IPS)

インタープロトシリーズ、通称「IPS」は、2013年から富士スピードウェイで開催されるワンメイクレースで、元レーシングドライバーの関谷正徳が中心となり設立されました。関谷は、ル・マン24時間レースで日本人初の総合優勝を果たした実績を持ち、現在はトムスの監督とフォーミュラトヨタ・レーシングスクール校長を務めています。

このシリーズの大きな特徴は、プロフェッショナルドライバーとジェントルマンドライバーがチームを組み、1台のマシンをシェアして戦う点です。参加ドライバーには、スーパーフォーミュラやSUPER GTなどのトップカテゴリーで活躍する選手たちが名を連ねており、彼らとの共同参戦により、ジェントルマンにも多くの学びの機会を提供しています。

さらに、国内の有力チームが数多く参戦しており、技術的なサポートやホスピタリティが充実しているのも特徴的です。このような環境は参加者にとって大きな魅力であり、レースへのモチベーションを高めます。

専用マシン「kuruma」

シリーズに使用される専用マシン「kuruma」は、軽量のボディとパワーを抑えたエンジンを搭載し、電子制御デバイスを排除することで、同じ条件でのレースを可能にしています。この設計は、プロフェッショナルドライバーにとって競争条件を平準化するだけでなく、ジェントルマンドライバーの技能向上にも寄与しています。マシンはMRレイアウトのクーペ型で、カーボンとパイプスペースフレームの組み合わせにグラスファイバー製ボディを持ち、車重は約1,100kgです。

エンジンはトヨタ・1GR-FEをベースにトムスがチューニングしたもので、最大出力は340psに達します。トランスミッションにはシーケンシャルの6速パドルシフトが採用されており、ドライバー育成の一環としてABSやTCSなどの電子デバイスは基本的に排除されています。このマシンは接近勝負を可能にするよう設計されており、運転する楽しさを追求しています。

レース形式とエントリーシステム

インタープロトシリーズのレースは、通常2日間にわたって行われ、初日はジェントルマンドライバーとプロフェッショナルの予選、そしてジェントルマンの決勝第1レースが行われ、2日目にはジェントルマンの決勝第2レースとプロの決勝レースが行われます。予選はジェントルマンが20分、プロが15分の走行を行い、その結果に基づいて決勝のグリッドが決まります。

2015年からはジェントルマンドライバーがエキスパートクラスとジェントルマンクラスに分類され、スキルに応じた競争が行えるようになりました。初年度の2013年からはプロのランキングに賞金が設けられ、後にはポイント制へと移行しました。

メディアの取り組み

このシリーズは、J SPORTSによる衛星放送でのダイジェスト放送が行われており、インターネットではUstreamを通じたオンボードカメラの映像配信もありました。これによりファンは、レースの様子をより身近に感じることができます。

インタープロトシリーズは、競技に参加するドライバーはもちろん、観客やファンにとっても魅力的なイベントであり、今後のさらなる発展が期待されます。

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