インフィニティ・ガントレット

『インフィニティ・ガントレット』：マーベルコミックスの金字塔

『インフィニティ・ガントレット』は、1991年にマーベルコミックスから出版された全6号のリミテッド・シリーズであり、同作に登場するアイテムの名称でもあります。ジム・スターリンが原作を手掛け、ジョージ・ペレスとロン・リムが作画を担当しました。この作品は、同名のクロスオーバー・イベントの中核を成し、他の多くのマーベル作品に影響を与えました。

あらすじ

物語は、サノスという異星人の虚無主義者が、宇宙に散らばる6つの「インフィニティ・ジェム」を集め、自身のガントレットにはめ込むところから始まります。すべてのジェムの力を手に入れたサノスは、神にも等しい力を得て、死そのものであるミストレス・デスの愛を得ようとします。そのために、サノスは宇宙の生命体の半数を死滅させるという暴挙に出ます。

これに対し、アダム・ウォーロックは生き残った地球のヒーローたちを率いてサノスに立ち向かいます。しかし、激しい戦いの末、「インフィニティ・ガントレット」はサノスの孫娘であるネビュラの手に渡ってしまいます。事態を重く見たサノスは、ヒーローたちと協力してガントレットの奪還を試みます。最終的に、ガントレットはウォーロックの手に戻り、サノスが引き起こした破壊は修復されます。

制作の背景

この作品のルーツは1970年代に遡ります。当時、マーベルで原作と作画を担当していたジム・スターリンは、サノスやインフィニティ・ジェムといったアイデアを自身の作品で展開していました。その後、1990年に『シルバーサーファー』の原作者に就任したスターリンは、ロン・リムと共に16号にわたって物語を執筆し、それが『サノス・クエスト』、そして『インフィニティ・ガントレット』へと繋がっていきます。

作画は当初、人気作家のジョージ・ペレスが担当していましたが、スケジュール上の問題とストーリーへの不満から、ロン・リムに交代することになりました。

作品の評価と影響

『インフィニティ・ガントレット』はマーベルのトップセラーとなり、続編として『インフィニティ・ウォー』と『インフィニティ・クルセイド』が制作されました。この作品で起きた出来事は、マーベルの世界に大きな影響を与え、現在でも語り継がれています。また、ファンの間での人気も高く、様々な形で再版や関連商品が発売されています。

本作の題材やプロットは、ビデオゲームやアニメシリーズなど、様々なメディアで再利用されており、2018年には映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー|アベンジャーズ_インフィニティ・ウォー』にも取り入れられました。

登場人物

主要キャラクター

サノス: 強大な力を持つ虚無主義者。ミストレス・デスの愛を求める。
ミストレス・デス: 死そのものを具現化した存在。
アダム・ウォーロック: 禁欲的なヒーロー。サノスの野望を阻止しようとする。
ネビュラ: サノスの孫娘を自称する宇宙海賊。

その他のキャラクター

シルバーサーファー、ドクター・ストレンジ、キャプテン・アメリカなど、マーベルを代表するヒーローたちが多数登場します。

まとめ

『インフィニティ・ガントレット』は、サノスという魅力的なヴィランを中心に、宇宙規模の壮大な物語を描いた作品です。その衝撃的な展開と、ヒーローたちの苦悩は、多くの読者の心を掴みました。マーベルファンであれば、ぜひ読んでおきたい作品の一つと言えるでしょう。

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