イーサリアム

イーサリアムとは

イーサリアム（Ethereum）とは、分散型アプリケーション（DApps）やスマートコントラクトを構築・運用するためのブロックチェーンプラットフォームです。本プロジェクトはオープンソースで開発され、ここから生まれる通貨「Ether（イーサ）」は、取引手数料や契約履行に使用されます。イーサリアムは、汎用コンピュータとして設計され、仮想マシンを利用して様々なプログラムを実行することが出来るのが特徴です。また、ビットコインと同様に、イーサリアムは仮想通貨市場で非常に高い時価総額を持っています。

イーサリアムの歴史

誕生と開発

イーサリアムのコンセプトは2013年にウォータールー大学の学生ヴィタリック・ブテリンによって提案されました。2014年にはクラウドセールを通じて資金を調達、その後開発プロセスが進み、2015年には最初のβ版「Frontier」がリリースされました。続く「Homestead」は、ネットワークの安定性を向上させるための改良が加えられた重要なバージョンです。

The DAO事件

2016年に発生した「The DAO事件」は、イーサリアムの歴史の中で大きな転換点となりました。この事件では、スマートコントラクトの脆弱性を突かれ、多額のイーサがハッキングされました。この問題を解決するために、イーサリアムコミュニティはハードフォークを実施し、新たなネットワークを誕生させました。この結果、Ethereum Classicという別のブロックチェーンも生まれました。

Serenityとアップグレード

2017年からは「Metropolis」バージョンがリリースされ、さらに「Serenity」へと続く開発が進められました。主な目標はスケーラビリティの改善であり、トランザクション処理の効率を高めるために新しいコンセンサスアルゴリズムの導入が進められています。特に2022年にはプルーフ・オブ・ステーク（PoS）への移行が実施され、メインネットも移行されました。

技術的特徴

Ether

イーサリアム内では、Etherが取引手数料やマイニング報酬に使われています。これにより、各取引の正当性が保たれています。

ネットワーク

イーサリアム・ネットワークはP2Pで構成されており、スマートコントラクトの履歴がブロックチェーンに記録されます。ユーザーはこのネットワークを通じて、独自のアプリケーションや契約を作成し、自らのトランザクションを管理することが可能です。

EVM

イーサリアム仮想マシン（EVM）は、スマートコントラクトを実行するためのプラットフォームです。様々なプログラミング言語が利用可能で、開発者が自由に契約を設計・運用できます。

GAS代

トランザクションの際に指定されるGAS代は、取引手数料を意味し、取引の需要に応じて変動します。このため、取引が増加することでGAS代が高騰する場合もあります。

コミュニティとプロジェクト

イーサリアム改善提案

イーサリアム改善提案（EIP）は、新しい機能の提案に関するドキュメントで、コミュニティによって広く利用されています。代表的なEIPとしてEIP-20があり、トークン作成に関する規格が設定されています。

代表的なプロジェクト

イーサリアム上では多くのプロジェクトが立ち上がっています。たとえば、分散型金融プラットフォームの「Uniswap」や、「Aave」、「Compound」などがあります。これらのプロジェクトは、金融サービスの分散化を進めるためにイーサリアムの技術を利用しています。

たくさんのアプリケーションや新しいプロジェクトが誕生するイーサリアムは、今後も進化を遂げることが期待されています。

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