ウイングアーク1st

ウイングアーク１ｓｔ株式会社

ウイングアーク１ｓｔ株式会社は、東京都港区に本社を構える、企業向けソフトウェア及び関連サービスを提供している日本のIT企業です（英称：Wingarc1st Inc.）。企業のデータ活用を促進し、業務効率化や意思決定の迅速化を支援するソリューションを開発・販売しています。

概要

同社の中核事業は、帳票基盤ソリューション、ビジネスインテリジェンス（BI）、そしてデータ活用ソリューションの提供です。主力製品としては、帳票分野の「SVF」、BI・データ活用の「Dr.Sum」、そして情報活用ダッシュボードの「MotionBoard」が挙げられます。

特に帳票基盤ソリューションの「SVF」は、その高い機能性と信頼性から国内市場で広く受け入れられており、2020年時点での累計導入実績は約26,000社以上に達しています。これにより、国内の帳票ソフトウェア市場において出荷金額ベースで68.3%と、圧倒的なトップシェアを獲得しています。BI・データ活用ソリューションの「Dr.Sum」も同時点で約6,400社、情報活用ダッシュボードの「MotionBoard」は約2,170社に導入されるなど、各分野で確固たる地位を築いています。

企業理念として、「Empower Data, Innovate the Business, Shape the Future.（情報に価値を、企業に変革を、社会に未来を。）」を掲げ、データの持つ潜在能力を引き出し、企業の変革を通じて社会の未来を創造することを目指しています。また、従業員の健康管理を経営的な視点で捉え戦略的に実践する「健康経営」にも積極的に取り組んでおり、経済産業省からは2021年度から2024年度にかけて「健康経営優良法人（ホワイト500）」として認定されています。

主な製品・サービス

ウイングアーク１ｓｔは、幅広いデータ活用ニーズに対応するための多様な製品・サービスラインナップを提供しています。

帳票基盤ソリューション
SVF
SVF Cloud
invoice Agent（OCR機能などを備えた書類整理ソフトウェア）
BI・データ活用ソリューション
Dr.Sum
MotionBoard
MotionBoard Cloud
BIコンサルティング
その他のサービス
3rd Party Data Gallery（第三者データの提供サービス）
VyNDEX（セールスフォース社製品向けのデータ編集サービス）
* SmartRetailing（リテール業界向けの情報活用ソリューション）

沿革

同社の歴史は、1993年に翼システム株式会社の情報企画事業部としてスタートしたことに始まります。1995年には「SVF」の前身となる帳票ツール「VisualFormade」を出荷し、1996年には帳票製品「SuperVisualFormade」をリリースしました。2001年には多次元高速集計検索エンジン「Dr.Sum」を発表し、2003年にはBI製品「Dr.Sum EA」の提供を開始するなど、主力製品の基盤を築きました。

2004年3月には、翼システム株式会社情報企画事業部の営業を譲り受ける形でウイングアークテクノロジーズ株式会社として独立創業しました。以降、国内各地への営業拠点開設や販売・開発パートナー制度「WARP」の発足、海外（上海）への進出など、事業規模を拡大していきます。2009年には持株会社体制へ移行し、1stホールディングス株式会社（初代）に商号を変更しました。

2010年には大阪証券取引所ジャスダック市場に、2012年には東京証券取引所市場第二部へ上場を果たします。しかし、2013年にマネジメント・バイアウト（MBO）の実施を公表し、東京証券取引所への上場を廃止しました。この過程で、資本参加していた投資ファンドが交代（アドバンテッジ パートナーズからオリックスへ）するなど、資本構成に変化がありました。その後、組織再編を経て、2014年3月にウイングアークテクノロジーズなどが合併し、現在のウイングアーク1st株式会社が設立されました。

2016年には再び投資ファンドの交代（オリックスからカーライル・グループへ）があり、同年に子会社であったバリオセキュア株式会社の株式を譲渡するなど、事業ポートフォリオの見直しも行われました。その後も国内外の子会社設立や事業買収（日立製作所からの帳票ソフト「EUR」資産取得など）を通じて事業領域を広げていきます。

2019年以降、東京証券取引所への新規上場を目指すも、市場環境などを理由に2度の承認取消を経験しました。その間、伊藤忠商事グループや東芝デジタルソリューションズとの戦略的提携を進めるなど、事業強化を図りました。そして、2021年3月に満を持して東京証券取引所市場第一部へ上場を果たしました。近年では、動態管理プラットフォーム事業を手がける株式会社traevoを子会社化するなど、新たな分野への展開も見せています。

拠点・関連会社

ウイングアーク１ｓｔは、国内主要都市に拠点を展開しています。本社は東京都港区にあり、その他、札幌、仙台、新潟、名古屋、大阪、広島、福岡に営業拠点などを設けています。かつては旭川にも拠点がありました。

海外及び国内の主要な関連会社には、文雅科信息技术（上海）有限公司、文雅科信息技术（大连）有限公司、WingArc Singapore Pte. Ltd.、WingArc Australia Pty Ltd、株式会社リテールマーケティングワン、株式会社Everforth、株式会社traevoなどがあります。

加盟団体

一般社団法人日本経済団体連合会（経団連）、MIJSコンソーシアム（Made In Japan Software Consortium）などに加盟しています。

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