ウォーハンマー

ウォーハンマー：戦鎚の歴史と構造

ウォーハンマーは、柄の先に鎚状の頭部を持つ打撃武器です。日本語では戦鎚（せんつい）と訳されます。特に中世ヨーロッパで使用されたものが有名です。

概要

ウォーハンマーの基本的な構造は槌と同様で、柄の先端に頭部が直角に取り付けられています。この頭部を相手に叩きつけて使用します。頭部の形状には、両端が平らな両口型と、片側が平らで反対側が鋭利な爪状や斧状になった片口型の2種類があります。主流は片口型でした。

打撃面には凹凸が施されたり、円錐形に加工されたものもありました。これは打撃面積を小さくして衝撃力を集中させ、鎧の上からでもダメージを与えられるように工夫されたものです。

北欧神話では、戦神トールがミョルニルという名のハンマーを携えています。また、日本では武蔵坊弁慶が「弁慶の七つ道具」の一つとして大槌を持っていたと伝えられています。

武器としての成立と発展

槌は旧石器時代から存在する基本的な道具であり、狩猟や戦闘にも用いられていました。軍隊でも陣地構築に不可欠な道具でしたが、中世ヨーロッパにおいて戦闘用の武器として発展しました。11世紀以降のヨーロッパでは、金属鎧の重装化が進み、十字軍の戦訓から、鎧に有効な打撃武器が見直されました。ウォーハンマーは13世紀頃から使われ始め、14世紀から16世紀にかけて一般的な武器となりました。

当初は対騎兵用として歩兵が両手で使用する長柄武器として登場し、後に騎兵が下馬した際の補助武器、そして馬上でも使用できる小型化されたものが登場しました。

銃の登場により大型の武器は衰退しましたが、騎兵用ウォーハンマーは東欧地域でしばらくの間使用されました。

日本では、掛矢（かけや）と呼ばれる大型の木槌が古くからあり、陣地構築の他、城門や障害物の破壊にも用いられました。赤穂浪士による吉良邸討ち入りでは、門扉を破壊するために使用されています。

関連項目

鎚
メイス
* トール

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