ウルトラ兄弟物語

『ウルトラ兄弟物語』の概要

『ウルトラ兄弟物語』（ウルトラきょうだいものがたり）は、日本の漫画家かたおか徹治によって描かれた作品であり、ウルトラシリーズの関連漫画の集大成です。この作品は1979年1月から1981年3月まで、『コロコロコミック』に連載され、その後もいくつかのエピソードが雑誌に掲載されました。

より具体的に言うと、この漫画には複数のストーリーが含まれていますが、系列ごとに設定や時代が異なることが特徴です。ウルトラ兄弟が生まれる前の話や、ウルトラ族同士の戦争が描かれ、公式設定からは少し外れた部分もあります。『ザ・ウルトラマン』の設定を受け継いでおり、ウルトラセブンが宇宙最強の存在と見なされている点などには共通点が見られます。

ストーリーの内容

作品にはいくつかの章に分かれており、各章において異なるストーリーが展開されます。例えば「決闘ウルトラ兄弟編」では、ウルトラの国で暗黒勢力が蔓延っている時代にウルトラ兄弟がどのようにして戦ったのかが描かれます。ここでは、宇宙警備隊がまだ結成されていなかった背景のもと、ウルトラマンやウルトラセブン、新ウルトラマン（現：ジャック）、ウルトラマンAなどの主要キャラクターが登場します。特に興味深いのは、ウルトラマンが墓掘り人夫として登場したり、ウルトラセブンが両刀式のスピアを使ったりする独自の設定です。

「ウルトラ一族の大反乱編」では、ウルトラの星で宇宙警備隊大隊長の選考が行われ、大隊長にはウルトラの父が指名されますが、兄であるウルトラマンジャックが反抗し、新宇宙警備隊を結成します。このストーリーでは、同族同士の戦いが展開され、ウルトラ族の内部抗争が描写されています。

さらに、「ウルトラ兄弟物語編」では、宇宙警備隊のメンバーが全宇宙平和会議に出席する様子が描かれていますが、実際にはそれが罠であり、全宇宙の星人たちがウルトラ兄弟を危険視することになります。この作品を通じて、ウルトラの国の衰退や、ウルトラ兄弟たちの苦境が描かれます。

主要キャラクターと設定

この作品に登場するキャラクターや設定は多岐にわたります。たとえば、スペースサタンキングは宇宙の悪魔として悪事を働く存在であり、その手下であるデビルプリンスやテロ・ハンターなど、彼自身も様々なキャラクターが登場します。

また、ウルトラ兄弟はそれぞれ異なる特性を持ち、ストーリーごとに重要な役割を果たします。エネルギーの統合によって生まれるウルトラグレート光線や、ウルトラ兄弟が合体して敵に立ち向かう合体光線など、技術的な側面も重視されています。

持つ意義

『ウルトラ兄弟物語』はウルトラシリーズのファンにとって重要な作品であり、ウルトラ戦士たちの背景や知られざる戦いを描くことで、彼らのキャラクターをより深く理解する手助けをしています。終わりなき戦いと、ウルトラ族の運命が交錯するこの物語は、単なる娯楽を超えて、勇気や友情、正義の力をテーマにしています。

この作品の魅力は、ウルトラ兄弟の多様性と、それを取り巻く独自の設定にあります。続けて新たなエピソードが描かれることで、ウルトラ族のエネルギーが次の世代へと受け継がれていくのです。

もう一度検索