エス・サイエンス

株式会社エス・サイエンス：多角的な事業展開と歴史

株式会社エス・サイエンスは、ニッケル事業を主力としながら、不動産事業、教育事業など、幅広い分野で事業を展開している企業です。その歴史は古く、戦後の混乱期からニッケル生産に携わってきました。ここでは、同社の沿革、事業内容、業績の推移について詳しく解説します。

沿革

エス・サイエンスのルーツは、1946年に設立された志村化工株式会社に遡ります。当初は硫酸銅の製造からスタートし、その後、硫酸ニッケル、ニッケル地金の生産へと事業を拡大しました。1953年には東京証券取引所第一部に上場を果たし、ニッケルメーカーとしての地位を確立しました。

しかし、1980年代に入ると、フェロニッケル事業から撤退するなど、事業構造の転換を迫られます。1990年代以降は、不動産事業や環境事業への進出、学習塾の経営など、多角的な事業展開を積極的に進めてきました。2003年には社名を現在の株式会社エス・サイエンスに変更し、新たなスタートを切りました。

近年では、スーパーマーケット事業への参入（後に休止）や、リフォーム関連事業への進出など、常に新たな分野への挑戦を続けています。

事業内容

エス・サイエンスの主な事業は以下の通りです。

金属事業部: ニッケル、ペレットアノードの製造加工、販売を行っています。川口市に工場を保有し、ニッケル事業は同社の収益の柱となっています。
教育事業部: 「進学塾WIN」を大阪府、奈良県でフランチャイズ展開しています。地域に根ざした学習塾として、着実に実績を上げています。
不動産事業部: 不動産の販売、賃貸を手掛けています。不動産市況の影響を受けやすく、売却益の有無によって業績が変動する傾向があります。
リフォーム関連事業: 子会社であるなごみ設計が、横浜市を中心に建設工事、内装工事を請け負っています。

過去にはスーパーマーケット事業も展開していましたが、現在は休止しています。

業績

エス・サイエンスの業績は、過去に低迷した時期もありました。2007年3月期をピークに、2015年3月期まで8期連続で売上高が減少し、2008年3月期から2013年3月期までは6期連続で純損失を計上するなど、経営状態が悪化しました。しかし、2014年3月期には純利益を計上し、2016年3月期には売上高も上昇に転じるなど、回復の兆しを見せています。

2019年3月期の売上構成は、ニッケル事業が62.6%、不動産事業が29.7%、教育事業が8.4%となっています。ニッケル事業が依然として主力ですが、不動産事業も重要な収益源となっています。

まとめ

株式会社エス・サイエンスは、ニッケル生産をルーツとする老舗企業でありながら、常に変化を恐れず、新たな事業領域に挑戦し続けています。過去の経営危機を乗り越え、再び成長軌道に乗ろうとしている同社の今後の展開に注目が集まります。

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