エミ・マイヤー

エミ・マイヤー

エミ・マイヤーは、日本とアメリカ合衆国の両国を拠点に活動を展開するシンガー・ソングライターであり、卓越したピアニストとしても知られています。その音楽性は、ジャズを基盤としながらも、ポップスやフォーク、さらには民族音楽の要素も取り込み、ジャンルを超えたユニークなサウンドを創り出しています。

生い立ちと音楽的ルーツ

1987年、京都府に生まれたエミ・マイヤーは、アメリカ人の父と日本人の母を持つ日米双方の文化を背景に育ちました。生後まもなく、一家はアメリカ・シアトルへと移住。幼少期である6歳からクラシックピアノのレッスンを開始し、音楽との深い関わりを持つようになります。高校時代にはジャズピアノへと傾倒し、その即興性や自由な表現に魅了されました。大学はロサンゼルスに進学し、民族音楽学を専攻。この分野での学びは、彼女の後の多様な音楽表現に大きな影響を与えたと考えられます。

キャリアの始まりと発展

音楽キャリアにおける重要な転機の一つが、2007年に訪れます。シアトル・神戸ジャズ・ボーカリスト・コンペティションでの優勝は、シンガーとしての才能を広く知らしめるきっかけとなりました。同年には、自主制作盤となるアルバム『キュリアス・クリーチャー』を発表。この作品は、2009年に日本でも正式にリリースされ、ここから日本での活動も本格化していきます。

その後の作品群も、彼女の多様な音楽性を示すものとなっています。2010年にはヒップホップアーティストのShing02とのコラボレーションアルバム『パスポート』をリリースし、異ジャンルとの融合を試みました。ソロ名義でのアルバムとしては、2011年に『スーツケース・オブ・ストーンズ』、2013年に『ギャラクシーズ・スカート』を発表。さらに2014年には、ギターリストの永井聖一と共同名義でアルバムを制作するなど、様々なアーティストとの交流を通じて音楽の幅を広げています。2015年には、ジャズスタンダードを集めたアルバム『モノクローム』をリリースし、ピアニストとしてのルーツにも改めて光を当てました。

エミ・マイヤーの楽曲は、英語と日本語を巧みに使い分ける歌詞、洗練されたピアノアレンジ、そして心地よいボーカルが特徴です。日米両国の文化を吸収し、自身の音楽に昇華させるそのスタイルは、多くのリスナーを魅了しています。

ディスコグラフィー

エミ・マイヤーがこれまでに発表した主な作品は以下の通りです。

アルバム

キュリアス・クリーチャー（2009年）
パスポート（2010年）
スーツケース・オブ・ストーンズ（2011年）
ギャラクシーズ・スカート（2013年）
エミ・マイヤーと永井聖一（2014年） (「エミ・マイヤーと永井聖一」名義)
モノクローム（2015年）
ウイングス（2019年）

EP

LOL（2012年）

シングル

Jamaica Song（2009年） (Emi Meyer with Cool Wise Man)
庭園（2009年）
君に伝えたい（2009年）
登り坂（2010年）
A Summer Song（2010年） (Emi Meyer & The Shanghai Restoration Project)
Birthday Wish（2011年） (Emi Meyer & The Shanghai Restoration Project)
オン・ザ・ロード（プリウス・ヴァージョン）（2011年）
オン・ザ・ロード（プリウス・ジャパニーズ・ヴァージョン）（2012年）
ギャラクシーズ・スカート（2012年）
LOL (Shanghai Restoration Project Remix)（2013年）
Da Dance! ENCORE（2014年）
Everything This Christmas（2014年）
咲くこころ（2015年）
フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン（2015年）

参加作品

* REQUEST（2015年） - 「光あれ」（冨田ラボ feat. Emi Meyer名義）にボーカルとして参加。

日米という二つの文化圏を行き来しながら、自身の音楽世界を広げ続けるエミ・マイヤー。その活動は今後も多方面からの注目を集めることでしょう。

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