エリック・カートマン

エリック・カートマン：サウスパークの象徴的な問題児

エリック・セオドア・カートマンは、人気アニメ「サウスパーク」に登場する主要キャラクターの一人です。彼は、その過激な言動、利己的な行動、そして強烈な個性で、視聴者に深い印象を与え続けています。

キャラクターの背景とモデル

カートマンのキャラクターは、1970年代のアメリカの人気シットコム「オール・イン・ザ・ファミリー」の主人公アーチ・バンカーと、作者トレイ・パーカーの高校時代の友人マット・カープマンをモデルにしています。この二つの要素が組み合わさることで、カートマンの複雑で矛盾に満ちた性格が形成されました。また、カートマンは、作者であるトレイ・パーカーとマット・ストーンにとって、最も愛着のあるキャラクターの一人であり、「全ての人間の魂の中のゴミ」を具現化した存在であると語られています。

基本情報

- 名前: エリック・セオドア・カートマン
- 性別: 男性
- 誕生日: 7月1日
- 学年: 小学4年生
- 苦手な食べ物: 辛い物
- 血液型: AB型RH-
- 日本語吹き替え版での一人称: オイラ（ただし、WOWOW・Netflix版以外では「俺」で統一）

キャラクターの変遷と特徴

初期のカートマンは、仲間であるスタンやカイルにからかわれる存在でした。しかし、物語が進むにつれて、その性格は次第に鬼畜化していき、シーズン5では、スコット・テナーマンの両親を殺害し、その肉をチリに混ぜてスコットに食べさせるという衝撃的な行動に出ます。この事件以降、カートマンは「親を食わせるぞ」という脅し文句を頻繁に使うようになり、その過激さはエスカレートしていきます。

カートマンは、人種差別的な発言を繰り返し、特にユダヤ人とヒッピーを嫌悪しています。また、貧乏人も見下す傾向にありますが、ケニーに対しては、単にからかう程度で、そこまで攻撃的な態度をとることはありません。むしろ、カートマンとケニーは、過激な発言を共有する者同士として、ある種の親近感を抱いているようにも見えます。ただし、初期の頃はケニーと仲が悪い描写も多く見られました。

カートマンは、ユダヤ人のカイルを激しく嫌っていますが、カイルが危機に陥った際には、助けることもあります。これは、カートマンがカイルを本気で嫌っているわけではなく、喧嘩を楽しむためであるとも解釈できます。また、ジンジャーを嫌悪していますが、後にスコット・テナーマンが異母兄であり、自分もジンジャーの血を引いていることが判明した際には、大きなショックを受けました。

行動と問題点

カートマンは、人々を扇動することに長けており、シーズン8では、ヒトラーのコスプレをしてサウスパークの人々を煽り、ユダヤ人を絶滅させようとします。また、複数の外国語を話し、会社を経営するなど、小学生とは思えないような能力を発揮することがあります。しかし、その行動は常に問題があり、トゥレット障害のふりをしたり、パラリンピックの賞金目当てに障害者のふりをしたりすることもあります。

カートマンは、自分を非難したり、邪魔をする者を徹底的に排除しようとする傾向があり、自分の悪事を隠すために、被害者や共犯者を殺害しようとすることもあります。また、責任を他人に押し付けたり、罪を擦り付けたりすることも頻繁です。シーズン10では、矯正しようとする母親を殺害しようとしますが、良心と悪心の葛藤に耐えられず倒れてしまいます。

人間関係と意外な一面

カートマンは、クラスのほとんどの生徒から嫌われていますが、時折、意外な一面を見せることもあります。例えば、猫が収容所送りにされた際には密かに匿ったり、ぬいぐるみを大切にしている描写もあります。また、最近では、サウスパークを率先して動かすキャラクターとしても描かれることがあります。特に、カエルのクライド・フロッグ、パンダのピーターパンダなどのぬいぐるみは、カートマンにとって大切な存在です。

カートマンは、少年院で出会ったロンパー・ストンパーのために遊園地のアトラクションを持ち込んだり、不当逮捕されそうなジェファーソン氏を庇ったりするなど、友人が困っている時には、手を貸すこともあります。しかし、口先だけのことが多く、素手の喧嘩や肉弾戦は非常に弱いです。女子のウェンディには、半殺しにされたこともあり、それ以降、ウェンディを逆恨みし、様々な手で陥れようとしますが、いつも返り討ちに遭っています。

ヒーローごっこと恋愛

カートマンは、時々、アライグマをモチーフにした「クーン」というヒーローごっこをすることがあります。また、シーズン11では、パティ・ネルソンという女子が好きであることが判明します。しかし、トゥレットのフリをしているうちに、本音と建前の区別がつかなくなり、皆の前でパティへの恋心を告白してしまうという失態を演じてしまいます。

結論

エリック・カートマンは、「サウスパーク」という作品を語る上で欠かせない、非常に重要なキャラクターです。彼の行動は、倫理的に問題がある場合が多いですが、その強烈な個性が、作品に独特の魅力を与えていることは間違いありません。カートマンは、憎むべき人物でありながら、同時にどこか憎めない、そんな複雑な魅力を備えたキャラクターと言えるでしょう。

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