エルゼビア

エルゼビア (Elsevier B.V.)

エルゼビアはオランダのアムステルダムに本拠を置く、世界有数の学術出版社です。特に医学や科学技術を中心に幅広い分野の専門書籍や学術雑誌を発行しており、多くの研究者や専門家に利用されています。エルゼビアは現在、レレックス・グループの完全子会社として運営されています。日本国内でもエルゼビア・ジャパン株式会社が活動を行い、国際的な出版の流れを国内市場に向けて反映させています。

歴史

エルゼビアの歴史は1880年に遡ります。この年、ロッテルダムに設立されたこの出版社の名前は、近世オランダの出版業者であったロデヴァイク（ルイス）・エルゼビアに由来しています。設立以来、エルゼビアは学問の発展に寄与する出版物を多数手がけ、特に科学的な情報の普及に注力してきました。

現況

今日、エルゼビアは「The Lancet」や「Cell」、「Tetrahedron Letters」といった権威ある学術雑誌を発行しており、これらは医薬品や生理学、化学、数学、工学などのさまざまな分野の研究において重要な役割を担っています。また、「Trends」シリーズや専門書といった出版物もあり、最前線の科学的知見を提供しています。さらに、エルゼビアは、
自社の研究成果を広く届けるために「ScienceDirect」と呼ばれるオンラインジャーナルプラットフォームを運営し、研究者が自らの研究を発表したり、他者の研究を容易に参照することが可能です。加えて、有機化学に特化したデータベースであるバイルシュタイン・データベースや、医学・科学技術に関する無料でアクセスできる文献データベース「Scirus」、そして社会科学や人文科学、生命科学、健康科学などに関連するデータを集めたSocial Science Research Networkなど、多岐にわたる情報基盤を提供しています。

近年では、エルゼビアが提供する学術雑誌の購読費用が高額であるとの批判が高まっており、年間5,000ドルもする雑誌も存在します。これに抗議する形で、2012年にはエルゼビアの論文誌への投稿を停止する動きが起こり、学界の春という名称で知られるボイコット運動が展開されるなど、学術界における重要な問題となっています。また、Sci-Hubなどの無料ダウンロードサイトも、エルゼビアの出版物に挑戦する存在として注目を集めています。

脚注

エルゼビアの活動や批判に関する詳細な情報は、さまざまな文献やニュースに掲載されています。これにより、読者は企業の歴史、現況、ならびに将来の展望について理解を深めることができます。

関連項目

• - オーストララシア骨関節学雑誌
• - テトラヘドロン賞
• - 知識の代償
• - ウィキペディア図書館

外部リンク

• - エルゼビア（日本語）
• - Elsevier（英語）
• - ScienceDirect（英語）

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