エレクトリックアコースティックギター

エレクトリックアコースティックギター（エレアコ）とは

エレクトリックアコースティックギター、一般的にエレアコと呼ばれるこの楽器は、通常のアコースティック・[[ギター]]にピックアップを搭載し、アンプを通じて大音量で演奏することが可能なギターです。エレアコは、ポピュラー音楽のコンサートにおける音量の要求に応えるために開発されました。アコースティック・[[ギター]]の本来の音色をそのまま増幅できるよう設計されており、音質や操作性を考慮して一部の構造は従来のアコースティック・[[ギター]]とは異なりますが、多くのモデルは生音での使用も可能です。

歴史

エレアコの起源を辿ると、1969年に発売されたオベーション社のギターに行きつきます。航空機製造会社の社長チャールズ・カーマンが設立したこの会社が、画期的なエレアコを世に送り出しました。当初は革新的過ぎて受け入れられなかったものの、1970年代に入ると次第に一般のミュージシャンたちにも広がっていきました。

それ以前からも、ギブソンのJ-160Eのようにエレクトリック用ピックアップを装備したアコースティック・[[ギター]]はありましたが、エレクトリック用のピックアップはアコースティック・[[ギター]]本来の音を再現するのが難しかったのです。しかしオベーション社は、マグネティックピックアップではなくピエゾピックアップを用いることで、よりアコースティック・[[ギター]]の音を忠実に再現することに成功しました。この革新は一部の材質を変更した結果、優れた音響特性を得た点でも際立っています。

さらに、1975年には新たに「Adamas」ブランドが登場し、カーボンファイバーを採用した「ファイブロニック・サウンドボード」や、従来の大きなサウンドホールの代わりに複数の小さなサウンドホールを配置するデザインが採用されました。これにより多くのメーカーがエレアコの開発に参入し、日本でもタカミネが79年、モーリスが81年、ヤマハが83年にそれぞれエレアコの新品を発売しました。今やマーティン、ギブソン、テイラーといった主要な製造業者もエレアコを展開しています。

構造と特徴

基本的な構造はアコースティック・[[ギター]]に似ていますが、音のハウリングを抑えるために「生の鳴り」を抑える設計が施されています。例えば、ボディが薄く設計されていたり、サウンドホールに特殊な形状が使われたり、ソリッドボディに近い構造が採用されることもあります。また、多くのメーカーが後から装着できるピックアップタイプを販売しており、ミュージシャンが愛用するギターをカスタマイズする際に用いられることが多いです。

ピックアップの種類

エレアコには主に2種類のピックアップが使用されています。まずマグネティックピックアップですが、エレクトリック・[[ギター]]に多く使用され、弦の振動を電磁誘導によってアンプへ送ります。対して、ピエゾピックアップはボディ内部に設置され、アコースティック・[[ギター]]の全体的な振動を捕える特性があります。そのため、アコースティック・[[ギター]]の音色をより忠実に提供できる点が評価されていますが、ハウリングのリスクも引き上げます。

専用機器

エレアコを演奏する際には、特定のエフェクターやアンプも使用されます。これにより、アコースティックギター本来の響きが失われることを防ぐためのシミュレーター機能が備わったものが多く、ハウリングを抑えるための機能を持つ製品もあります。特にエレアコ専用のアンプは、アコースティックな音色を最大限に引き出す設計になっています。

主なメーカー

主要なエレアコの製造メーカーには、オベーション、タカミネ、モーリス、アリア、ヤマハ、ゴダン、テイラー等が名を連ねています。エレアコはその多様性と音質の特性から、多くの演奏者にとっての理想的な選択肢となっています。近年ではその技術的進歩により、他のエレクトリック・[[ギター]]系の製品との差別化が図られています。

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