エンフィールド・リボルバー

エンフィールド・リボルバー (Enfield Revolver)

エンフィールド・リボルバーは、第二次世界大戦中にイギリスで開発された回転式拳銃であり、中でもRSAFが製造したNo.2 Mk.Iが特に知られています。主にこのリボルバーの設計の背景や特徴について解説します。

開発の経緯

エンフィールド No.2 Mk.Iは、1879年にウェブリー＆スコット社が開発した中折れ式リボルバーに端を発しています。イギリス軍はこれを制式拳銃として採用し、以降も多くの改良を経て系譜が築かれました。

1920年代には、RSAFが新しい制式拳銃の開発に乗り出し、二次大戦の緊張が高まる中、米国から供与されたS&W ビクトリー・モデルに似た.38エンフィールド弾を使うリボルバーが求められました。この結果誕生したのがNo.2 Mk.Iで、イギリス軍に配備されました。この銃は、設計面でウェブリー・スコット社のNo.1 Mk.IVとの類似性が指摘され、結果として訴訟が発生することになりましたが、政府は最終的に合意に達しました。

特徴

エンフィールド・リボルバーの最も顕著な特徴は、中折式構造であることです。この構造の利点は、迅速な装填と排莢を可能にすることですが、強力な弾薬が使用できないという欠点があります。また、外観としては六角形のバレルを持ち、シリンダー内部に張り付いた薬莢を自動的に排出する機構付きで、スミス・ウェッソンなどアメリカ製のリボルバーとは異なっています。

No.2 Mk.Iは、全体的に簡略化が施されつつも構造は強化されています。元々は.455ウェブリー弾を使用していたのに対し、No.2 Mk.Iでは.38エンフィールド弾に変更され、アメリカ軍が供与したS&W ビクトリー・モデルとの互換性が考慮されています。このリボルバーは、イギリス政府が拳銃不足に悩まされた時期に、多くの兵士に広く使用されました。

過去の価値とその後の歴史

しかし、太平洋戦争や戦後の時代には、オートマチックハンドガンが登場し、エンフィールド・リボルバーは時代遅れとの批評が増えました。それでも、イギリスは二線級火器として1978年までその使用を続けました。これは、戦争における運用の実績や、市場からの需要が依然としてあったためです。

バリエーション

エンフィールド・リボルバーにはいくつかのバリエーションが存在します。代表的なものにNo.2 Mk.Iとその改良型No.2 Mk.I*があります。後者は戦車兵用にデザインされ、ダブルアクションのみの仕様として設計されましたが、当初の重いトリガーによって不評でありました。

登場作品

この銃は多くの映画やゲームなどで登場し、その独特な構造と歴史的背景は、リボルバー愛好家や歴史ファンにとっても興味深いものとなっています。

エンフィールド・リボルバーは、独自のデザインと技術をもってイギリスの軍事史に深く刻まれた一品であると言えるでしょう。

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