オロバス

オロバスは、悪魔学において重要な位置を占める悪魔の一柱です。『ゴエティア』によれば、彼は地獄の20の軍団を率いる序列55番の偉大なる君主として記述されています。

外見と能力

オロバスは通常、最初は馬の姿で現れるとされています。しかし、召喚者の命に応じて人間の姿を取ることも可能です。彼は過去、現在、未来のあらゆる事物に関する知識を有しており、召喚者に対して真実を語るとされています。また、召喚者に高い地位を与え、敵味方双方からの協力を得られるようにするとも伝えられています。

オロバスは、神学における真理や創世に関する深い知識も持っており、これらを召喚者に教えることができるとされています。彼は召喚者に対して非常に誠実であり、他の悪霊からの攻撃から守ってくれると信じられています。また、彼は誰かを欺くようなことは決してないとされています。

図像

コラン・ド・プランシーの著書『地獄の辞典』では、オロバスは直立した馬の姿で描かれています。この図像は後世に広く知られるようになり、オロバスの一般的なイメージとして定着しました。

召喚における注意点

オロバスを召喚する際には、いくつかの注意点があります。まず、召喚者はオロバスに対して敬意を払い、誠実な態度で接する必要があります。また、召喚者はオロバスの知識や力を悪用してはなりません。オロバスは誠実な召喚者には友好的ですが、不誠実な召喚者には厳しい態度で臨むとされています。

総括

オロバスは、知識、地位、協力、守護といった様々な恩恵を召喚者にもたらすとされる、強力で誠実な悪魔です。彼の図像は広く知られており、悪魔学において重要な存在として認識されています。召喚には注意が必要ですが、正当な目的を持ち、誠実な態度で臨めば、オロバスは強力な協力者となるでしょう。

参考文献

コラン・ド・プランシー著、床鍋剛彦訳『地獄の辞典』講談社、1990年 ISBN 4-06-201297-9
S.L. MacGregor Mathers and Aleister Crowley, The Lesser Key of Solomon(1904)
Arthur Edward Waite, The Book of Ceremonial Magic(1913)
Johann Weyer, Pseudomonarchia Daemonum
* Goetia

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