カジノ管理委員会

カジノ管理委員会（かじのかんりいいんかい）

カジノ管理委員会は、日本の行政組織の一つとして、内閣府の外局に位置づけられる合議制の行政委員会です。内閣総理大臣の管轄のもと、我が国における特定複合観光施設区域整備法（いわゆるIR整備法）に基づいて設置されました。この法律は、統合型リゾート（IR）の整備を推進すると同時に、その中核施設となるカジノについて厳格な規制と管理を行うことを定めており、当委員会はその主要な役割を担います。

設立経緯と位置づけ

本委員会は、特定複合観光施設区域整備法の施行に伴い、2020年（令和2年）1月7日に正式に発足しました。その主な任務は、カジノ事業者の許認可、カジノ施設の構造や設備の技術基準適合性の確認、事業運営に対する継続的な監督・検査、カジノ関連機器の規制、資金洗浄（マネーロンダリング）対策、ギャンブル等依存症への対策推進など、多岐にわたります。これらの業務を通じて、カジノ事業の健全性、安全性を確保し、犯罪や依存症といった懸念事項への対策を徹底することが求められています。

合議制の行政委員会として設計されている点は重要です。委員長を含む複数の委員による議論と決定プロセスを経ることで、特定の意向に左右されにくい、専門的かつ公正な判断を行う体制が構築されています。内閣府の外局として一定の独立性を持ちつつ、内閣総理大臣の所轄の下でその職務を遂行します。

組織構成

委員会は、委員長1名と4名の委員で構成されます。委員のうち2名は非常勤とすることが認められています。委員長および委員は、いずれも国会（衆議院および参議院）の同意を得た上で、内閣総理大臣によって任命されます。この選任方法は、その職務の重要性と高い専門性、そして政治的な独立性への配慮を示しています。委員の任期は5年間と定められており、再任も可能です。委員長の給与水準は、国の他の役職と比較して、大臣政務官と同等とされています。

委員会の意思決定を実務面で支えるのが事務局です。事務局には、事務局長を筆頭に、事務局次長、監察官といった幹部が配置されています。その内部組織は、大きく「総務企画部」と「監督調査部」に分かれています。

総務企画部: 委員会の運営に関する総務、全体の企画立案、予算や組織管理といった総合的な業務を担います。また、カジノ事業に伴う社会的影響、特にギャンブル等依存症への対策に関する企画や関連施策の推進を専門に扱う依存対策課もこの部に置かれています。さらに、情報公開や個人情報保護など、公文書管理に関する業務も担当します。

監督調査部: こちらは、カジノ事業そのものに対する直接的な規制・監督業務を担当します。事業者の免許審査、カジノ施設の設計や運営計画の承認、事業者の財務状況の確認、日々の事業活動の調査・検査を行います。カジノ機器の技術的な基準適合性を確認する機器技術監督室や、国際的な要請も高い資金洗浄（マネーロンダリング）対策を専門に行う犯罪収益移転防止対策室もこの部に含まれます。また、事業者の会計や財務状況を監督する財務監督課も置かれており、カジノ事業の透明性と公正性を確保するための実務を遂行しています。

これらの組織を通じて、カジノ管理委員会は、IR整備法および関連法規（カジノ実施法など）に基づき、日本のカジノ事業が国際的な基準に則り、厳格な管理の下で行われるよう、その監視・監督の責務を果たしています。所管法人、財政、職員といった詳細については、内閣府全体の情報の中で位置づけられています。

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