カランコエ

カランコエ (Kalanchoe)の特徴と栽培情報

カランコエは、ベンケイソウ科に属する多肉植物で、長い間園芸愛好家から親しまれている植物です。この植物の原産地はマダガスカル島や南アフリカ、そして東アフリカ、ソコトラ島に広がっており、インドやマレー半島、中国などにも分布しています。

特徴

この植物は、草丈が約15cmから80cmほどの低木であり、多肉質の葉を持つ多年草です。花弁は5枚からなり、少し反り返って星のような形に開花します。特に園芸店では、ベニベンケイ（Kalanchoe blossfeldiana）がよく見かけられ、多種多様な品種が利用されています。矮性種、高性種、斑入り種など、バリエーションが豊富に存在し、花の色は白、黄色、ピンク、赤、オレンジなど多彩です。また、近年では八重咲の品種も登場しており、花の付き具合や持続性の良さから非常に人気があります。

開花時期と栽培方法

カランコエは秋から春にかけて開花しますが、短日植物であるため、開花を促すためには短日処理が必要です。このプロセスでは、管理温度は15-20℃、処理日数は35-50日が求められます。開花までの到達日数は60-70日です。特に夜間に人工光が当たる環境では、花が咲かないこともあるため、光の当たる時間を適切に調節することで一年中美しい花を楽しむ方法もあります。

栄養生殖能力

カランコエの大きな特徴は、葉の鋸歯部分に成長点を持っている点です。葉が脱落すると、その部分から新しい個体が発芽し再生することができるため、栄養生殖が非常に得意です。特にコダカラベンケイや不死鳥などの品種では、親株の葉が存在している段階から活発に不定芽を形成します。他の種でも、まれに葉から新芽を出すことが見られます。このため、栽培が比較的容易で、ベランダや庭で手軽に育てられます。

主な種

カランコエ属には、数十種から百数十種の多様な種がありますが、ここではいくつかの代表的な品種を紹介します。

• - キンチョウ（錦蝶）: Kalanchoe tubiflora （= Bryophyllum tubiflorum）
• - コダカラベンケイ（子宝弁慶）: Kalanchoe daigremontiana （= Bryophyllum daigremontianum）
• - コチョウノマイ（胡蝶の舞）: Kalanchoe laxiflora （= K. crenata = K. fedtschenkoi = Bryophyllum crenatum）
• - セイロンベンケイ: Kalanchoe pinnata （= Bryophyllum pinnatum）
• - ベニベンケイ（紅弁慶）: Kalanchoe blossfeldiana
• - リュウキュウベンケイ（琉球弁慶）: Kalanchoe integra

これらの種はそれぞれ異なる特性や美しさを持っており、さまざまな用途で親しまれています。カランコエはその魅力的な外観とケアのしやすさから、家庭の園芸植物として非常に人気があります。

もう一度検索