カルミン

カルミン：明治製菓のロングセラー清涼菓子

明治製菓（現Meiji Seikaファルマ）から販売されていた「カルミン」は、大正10年（1921年）の発売開始以来、長きにわたって愛された清涼菓子です。白いタブレット状のミント菓子で、表面には「MS」（明治製菓の略）の刻印が施されていました。

商品の特徴

カルミンは、炭酸カルシウムを含む白いミントタブレットでした。その爽快なメントール感と、カルシウムを配合した点が特徴です。商品名は、その成分である「カルシウム」と「ミント」に由来しており、着色料のカルミンとは関係ありません。

歴史と展開

カルミンは、東京菓子株式会社（後の明治製菓）によって大正10年に発売されました。当時、広告には人気ハリウッド俳優のハロルド・ロイドを起用するなど、大々的な宣伝が展開されました。発売から間もなく、高い人気を獲得し、明治製菓を代表するロングセラー商品の一つとなりました。

その後、ココア、パパイヤ、チェリーなど、様々なフレーバーが展開されました。「ココアカルミン」「パパイヤカルミン」「チェリーカルミン」などが発売され、一時的に「苺カルミン」も販売されていました。これらのフレーバー展開は、消費者の嗜好が多様化する中で、カルミンの魅力をさらに広げる試みであったと言えるでしょう。

ある時期から、明治製菓のシンガポール現地法人（1974年設立）で製造されるようになり、日本へ輸入される体制となりました。これは、生産体制の効率化や海外市場への展開を目的としていたと考えられます。

2009年3月にはリニューアルが行われ、同時にイチゴ味の「カルミンイチゴ」が発売されました。同年、明治製菓と明治乳業の経営統合に伴い、ロゴマークが「meiji」のCI仕様に変更されました。

しかし、時代の変化や市場の競争激化など、様々な要因が重なり、2015年3月末をもって、長年にわたる歴史に幕を閉じました。94年にわたる販売期間は、大正時代から続く菓子としては非常に長く、多くの消費者に惜しまれつつ、生産終了となりました。

カルミンの魅力

カルミンの魅力は、そのシンプルな味わいと、爽快なミントの清涼感にありました。時代を超えて愛された理由は、多くの人々に懐かしい思い出や、幼少期の記憶を呼び起こさせる、普遍的な魅力があったからでしょう。また、カルシウムを配合した点も、健康を意識する人々にとって魅力的な要素でした。

まとめ

カルミンは、明治製菓の歴史を象徴するロングセラー商品でした。その歴史は、日本の菓子業界の変遷を反映しており、多くの消費者に愛された製品だったと言えるでしょう。生産終了は残念ですが、カルミンが人々の記憶の中に、これからも長く残り続けることは間違いありません。

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