カントリーマアム

カントリーマアム

カントリーマアムは、株式会社不二家が製造・販売している、幅広い世代に愛されるクッキーです。1984年7月に発売され、レギュラーサイズとポケットサイズが北海道から順次販売されました。

概要

カントリーマアムは、カカオマスとカカオバターを贅沢に使用したチョコチップを、独自の製法で生地に閉じ込めることで、豊かな風味と食感を実現しています。焼きたての手作りクッキーをヒントに開発され、そのまま食べても美味しいのはもちろん、電子レンジで温めると、まるで焼きたてのような風味が楽しめるように工夫されています。

和菓子の饅頭を参考に、クッキー生地を二重構造にしているのが特徴です。外側のサックリとした生地と、内側のしっとりとした生地の組み合わせが、独特の食感を生み出しています。この食感を出すために、一般的なクッキーよりも時間をかけて低温でじっくりと焼き上げられています。また、使用されているチョコチップは、カントリーマアム専用に開発された特別なチョコレートです。

ご当地限定の味も多数展開されており、信玄餅味、とちおとめ味、あんバタートースト味など、地域色豊かなフレーバーが楽しめます。

歴史

1970年代にアメリカで流行した「焼きたて手作りクッキー」を参考に開発されたカントリーマアム。商品名には「田舎の貴婦人」という意味が込められています。

発売当初は、それまで主流だった固い食感のクッキーとの違いから、「湿気ている」というクレームが寄せられました。そのため、CMでクッキーを割って中身を見せることで、しっとりとした食感をアピールしました。当時のキャッチフレーズは「外はサックリ、中はしっとり仕上げたソフトクッキー」でした。

初期には、甘すぎたり、冬場に固くなったりと、ソフトクッキーとしての完成度が十分ではありませんでした。また、類似商品の販売により、カントリーマアムの売り上げが伸び悩む時期もありました。1987年には、耐久性や密封性の問題、消費者のニーズに応えるため、分割トレーを廃止し、個包装に切り替えました。1992年には材料の見直しが行われ、現在の味へと改良されました。同年には、大袋タイプの販売も開始されています。

2009年には、内側もサクサクとした食感の「カントリーマアムクリスピー」を発売し、チョコチップのおいしさをアピールしました。2013年には、チョコチップを増量（内容比30％）した商品も発売されています。

発売当初は売り上げが伸び悩みましたが、その後は不二家の菓子事業の3割近くを占める主力ブランドへと成長しました。

カントリーマアム チョコまみれ

2019年11月には、セブン-イレブン限定で「カントリーマアム チョコまみれ」が発売されました。これは、カントリーマアムミニに比べてチョコの量を2倍にした、チョコレート好きにはたまらない商品です。

不二家の担当者は、チョコレート愛好家がより濃厚なチョコ感を求めていると考え、この商品を企画しました。従来のカントリーマアムは10代から20代にも人気でしたが、主な購買層は主婦層でした。そこで、チョコまみれは若い世代に直接手に取ってもらえるよう、コンビニでの販売に注力しました。

「まみれさん」というキャラクターも誕生し、「チョコ沼にはまってほしい」という願いが込められました。このキャラクターの存在も、「チョコまみれ」の人気を後押しし、2020年には販売経路をスーパーなどにも拡大。不二家の業績拡大に貢献しました。

2021年には、東京駅一番街のおかしランドに期間限定ショップがオープンし、日経トレンディの「2021年ヒット商品ベスト30」にも選ばれました。

大きなカントリーマアム

2021年4月には、ミニストップ限定で通常の5倍の重量がある「大きなカントリーマアム」が発売されました。これは、ミニストップ側の提案で実現した商品です。

通常のカントリーマアムと同じ製法で作ると、水分が抜けにくく、外側と内側の生地の差が出にくいため、試行錯誤を重ねた結果、低温でじっくり焼くなどの工夫が凝らされました。

発売から数日で約7万5000個が完売するほどの人気を博し、その後もフレーバーを追加して販売されています。

種類

定番のバニラとココアに加え、季節限定のフレーバーも多数展開されています。地域限定の味も豊富で、お土産としても人気です。

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