カカ

カカ（Nestor meridionalis）：ニュージーランドの森の住人

カカは、ニュージーランドに生息する中型サイズのオウムです。その美しい羽の色とユニークな生態から、ニュージーランドの象徴的な鳥類の一つとして知られています。

形態

カカの体長は約45センチメートルに達し、褐色を基調とした体羽が特徴です。顔にはピンク色の斑紋があり、耳の周りの羽毛はオレンジ色をしています。胸部もオリーブ褐色で、後頸、腰、腹部は鮮やかな赤色をしています。翼の裏側も赤く、美しいコントラストを見せています。オスとメスでは嘴の大きさと湾曲の度合いに違いがあり、オスの方が大きく、より湾曲しています。

分布と生息環境

カカはニュージーランドの北島と南島、スチュアート島に分布しています。主にナンキョクブナ科やマキ科の樹木からなる原生林に生息しており、これらの森の豊かな恵みを利用して生活しています。繁殖期には標高450～850メートルほどの高地に生息しますが、冬になると標高550メートル以下の低地へと移動します。

生態

カカは昼行性ですが、夜間に活動することもあります。通常はつがいで生活していますが、繁殖期以外には大規模な群れを作ることもあります。食性は雑食性で、昆虫（カミキリムシの幼虫など）、カイガラムシの分泌液、ヤドリギの花、マキ科やヤドリギの果実、フトモモ科の果汁、カウリマツの種子など、多様な食物を食べています。果実を食べる際には、舌を使って中身を巧みに搾り取って食べます。

繁殖

繁殖期は9月から翌年3月にかけてで、樹洞を巣として利用します。メスは巣の中に木屑を敷き詰め、4～5個の卵を産みます。抱卵期間は約24日で、メスが主に抱卵を担当します。オスやペアを形成していない個体は、抱卵中のメスに餌を運ぶなどして子育てをサポートします。雛は孵化後約10週間で巣立ちます。カカの寿命は約20年と考えられています。

人間との関係と保全

カカの個体数は、森林伐採による生息地の破壊、狩猟、外来種（オコジョ、ドブネズミ、フクロギツネなど）の捕食や競合などによって減少しています。そのため、1981年にはワシントン条約附属書IIに掲載され、国際的な保護対象となっています。生息地の保護と外来種対策が、カカの保全にとって重要な課題となっています。 彼らの未来を守るため、継続的な保護努力が必要です。

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