ガンイージ

ガンイージ（GUN EZ）

概要

ガンイージ（GUN EZ）は、1993年に放送されたテレビアニメ『機動戦士Vガンダム』に登場する架空の機動兵器で、有人操縦式のモビルスーツの一つです。リガ・ミリティアという抵抗組織の量産機として設計されており、特に女性のみの部隊「シュラク隊」の多くのメンバーがこの機体を操縦します。ガンイージは、同じリガ・ミリティアで製造された「ヴィクトリーガンダム」と一部のパーツを共用していますが、分離合体機構がなく、非可変機として開発されました。劇中では、その後改修された「ガンブラスター」も登場します。

デザイン

ガンイージのデザインを手掛けたのは大河原邦男であり、彼のデザイン案は、Vガンダムの形態を逆算して完成したとされています。デザインの過程では、サナリィが目指すより汎用性のあるモビルスーツとして、ガンイージが位置付けられており、井上幸一が述べているように、F91のような特殊な機体ではなく、実用性が重視されています。ガンイージはそのデザイン上、クラスターガンダムとの類似性も指摘されています。

設定背景

ガンイージは、リガ・ミリティアが月のセント・ジョセフ市郊外の地下工場で開発した量産機です。この地域は、連邦からの干渉を受けずに独自の行政を行っているため、リガ・ミリティアはここを拠点に自身のMSの開発を進めました。開発されたガンイージは、元々連邦傘下の企業にて候補機としてのテストが行われた結果、改良が施されたものと考えられています。開発過程の中で、内部からの機密漏洩防止策として開発番号の偽装が行われ、真正の開発番号はE01ですが、E02と称されました。

プロトタイプが二機製造され、各種テストを通じて運用データの収集が行われ、性能的には同時期の連邦軍のMSを上回るスペックを有しています。性能重視のデザインは、複雑な変形機能を持たず、シンプルな形状の操縦系統やコックピットが搭載されています。コックピットは非常時に脱出ポッドとして射出される設計であり、各部品の標準化により、生産性も向上しています。

武装

ガンイージは多様な武装を持ち、主に以下のような兵器が搭載されています。

• - バルカン砲: 頭部に搭載された実体弾を発射する小口径の対空武器。
• - ビームライフル/ビームピストル: Vガンダムと共通の基本装備であり、出力が増加するよう設計されています。
• - ビームサーベル: 両肩に装備され、近接戦闘により効果的です。
• - 2連マルチランチャー: 左肩に装備され、牽制や火力の充実を図るために利用されます。
• - ビームシールド: 防御用装備で、前腕部に取り付けるスタイルです。
• - ビームバズーカ: 高出力を誇る共用火器で、信頼性と性能の高さから第一線で使用されています。

劇中での活躍

ガンイージは『機動戦士Vガンダム』の第10話から登場し、シュラク隊の主力機として数々の戦闘において活躍します。しかし、その後の戦いではシュラク隊の機体が次々と撃墜されていき、壮絶な戦闘が展開される様子が描かれています。特にエンジェル・ハイロゥ攻防戦では、ガンイージの活躍や撃墜されるシーンが多く用いられ、その印象を強く残しています。最終的には、ガンイージはさまざまな型式へと改良され、ガンブラスターへと進化していくのです。

ガンイージは、そのデザインや性能、劇中での役割から、ガンダムシリーズの中でも特に印象深いモビルスーツの一つとなっています。

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