キュキュ

キュキュ：朝日放送のマスコットキャラクター

キュキュは、かつて朝日放送（現：朝日放送テレビ・朝日放送ラジオ）で使用されていたマスコットキャラクターです。「Curious Cube（好奇心いっぱいの箱）」の略で、開局50周年を迎えた2001年3月に誕生しました。在阪各局がマスコットを設定する中、満を持して登場した初のマスコットでした。

誕生と活躍

キュキュは短いスポットCMで初登場した後、武田和歌子アナウンサーがナレーションを担当する番組「えにっき」で名前を募集し、同年12月に「おはようコールABC」で名前が発表されました。2003年から2015年まで、地上デジタル放送受信機表示アイコンとして親しまれ、テレビ・ラジオのベリカードにも使用されました。

2015年6月14日をもって使用を停止し、翌15日からは新キャラクター「エビシー」が登場しています。

デザインの特徴

キュキュは、黄色いサイコロのような立方体で、4本の太いマッチ棒状の足が特徴です。側面には顔があり、棒状の鼻が突き出しています。右面には耳、左面には「B」、背面には「C」、上面には「A」の文字があしらわれています。書体はクーリエが使用され、「A」「B」「C」は黄地に黒、他は白地に黒で表現されています。

基本姿勢では、視聴者から見て左下に顔を向け、「A」の面を「B」の面に約30°、「C」の面を「B」の面に約135°開いて、「A」「B」「C」の3文字をすべて見せるようにデザインされています。蓋「A」の開いた所からは「info designing」の台詞が飛び出すというユニークな仕掛けも施されています。

多彩なメディア露出

キュキュは、番組セットとしても活躍しました。「おはよう朝日です」のハガキ入れや、「ごきげん!ブランニュ」のセットにぬいぐるみが置かれるなど、番組を盛り上げるのに一役買っていました。

また、アニメーションでは変幻自在な姿を見せていました。耳と「B」の面を羽根のように広げて飛行機になったり、電車やロケットなどの乗り物、消しゴムやランドセルなどの文房具、梅田スカイビルや通天閣などの建物にまで、様々な形に変身しました。キリンやクジラの入れ物になることもありました。足は4本ですが、展開図になると前2本が「もみ手」をしたり、バットを持つこともできました。4本の足がゴム車輪になることもあり、「えにっき」ではゴム車輪で移動していました。

2001年の登場後には、アナログ放送用のオープニング・クロージングでキュキュを使ったアニメが使用されました。オープニングではカラーバー色の『JONR-TV』、クロージングではネオン看板を電灯した『JONR-TV』のコールサインを表示していました。デジタル放送ではアニメは使用されていません。

着ぐるみと関連グッズ

着ぐるみは、オリジナルのボディから4本の足を省き、代わりにロボットのような頭や手足がついたタイプでした。構造上の理由からか、オリジナルのボディを再現するのは難しかったようです。この着ぐるみを基にしたイラストが、ノベルティのハンドタオルに描かれていました。

キュキュグッズは多種多様な物が制作され、番組を通じて視聴者や聴取者にプレゼントされたり、ABCラジオのイベント会場などで販売されました。代表的なグッズとして「キュキュラジオ」があり、イベントでは1,800円で販売されていました。また、朝日放送のホームページでは、展開図をダウンロードして組み立てられるキットも提供されていました。

キュキュは、短い期間でしたが、朝日放送の顔として多くの人に愛されたマスコットキャラクターでした。

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