キラ☆キラ

キラ☆キラ：青春とロックンロールの軌跡

OVERDRIVEが2008年に発表した大人向けゲーム『キラ☆キラ』は、バンド活動と青春をテーマにした人気シリーズの始まりです。旅をしながら成長していく若者たちの物語は、多くのプレイヤーの心を掴みました。シナリオは瀬戸口廉也氏が担当し、ビジュアルノベル形式で展開。プロデューサー自身がミュージシャンであることもあり、楽器や機材、音楽用語など、細部までこだわったリアリティあふれる作品となっています。実在するライブハウスが登場するなど、音楽好きにはたまらない要素も満載です。

開発と展開

『キラ☆キラ』は、従来のオープニングムービー公開方法を刷新。ニコニコ動画やYouTubeへのアップロードを開始し、ユーザー参加型の企画も実施しました。中でも、『第二文芸部弾いてみた選手権』は、作中の楽曲をユーザーが演奏する動画を募集するもので、大きな反響を呼びました。さらに、2020年にはクラウドゲーミングプラットフォーム「OOParts」への正式配信も実現しています。

リリース後も、スピンオフ作品『キラ☆キラ カーテンコール』（2008年）、コンシューマーゲーム機への移植版『キラ☆キラ 〜Rock'n'Roll Show〜』（2009年）、Windows対応のコンプリート版『キラ☆キラ COMPLETE ACTs』（2010年）と、シリーズは拡大を続けました。その後も、DEARDROPSとのコラボレーションによるファンディスク『d2b vs DEARDROPS - Cross the Future -』（2011年）や、クラウドファンディングで開発資金を調達したモバイル版『キラキラ OVERDRIVE EDITION』（2017年）など、様々な展開を見せました。

音楽とメディア展開

ゲーム内の楽曲は全て、作中のバンド名義で制作されており、現実とゲームの世界を繋ぐ試みも多数行われました。作中のバンドが実際にCDをリリースしたり、現実の歌手によるライブイベントを開催したり、バンドの公式サイトを運営したりと、その活動は多岐に渡ります。さらに、インターネットラジオ番組『Radio d2b』を配信し、作品世界への没入感を高めています。番組は二期に渡り、キャストによるトークや、ゲームに関する様々な情報を発信していました。

ストーリーとキャラクター

物語の中心となるのは、廃部寸前の「第二文芸部」に所属する4人の高校生。文化祭でのライブ成功をきっかけに、パンクバンド「第二文芸部バンド（d2b）」を結成します。予定外のライブ出演依頼を受け、ボロボロのワゴン車で日本各地を巡る旅に出かけることになります。

個性豊かなキャラクターたちは、それぞれの夢や葛藤を抱えながら成長していきます。主人公・前島鹿之助をはじめ、ボーカルの椎野きらり、ギターの樫原紗理奈、ドラムの石動千絵という個性的なメンバーが織りなす物語は、青春のエネルギーと、音楽への情熱が詰まっています。

主要キャラクター

前島 鹿之助: テニス部を退部し、失意のどん底にあった主人公。バンドでは女装しベースを担当する。
椎野 きらり: 天真爛漫な性格で、バンドのボーカルを務める。
樫原 紗理奈: 病弱なお嬢様だが、芯の強い一面を持つ。ギターを担当する。
石動 千絵: 鹿之助の幼馴染で、第二文芸部の部長。ドラムを担当する。

その他にも、個性的なサブキャラクターたちが物語を彩ります。彼らの存在も、ストーリーの深みと魅力を高めています。

キラ☆キラ カーテンコール

『キラ☆キラ』のスピンオフ作品である『キラ☆キラ カーテンコール』は、卒業後の世界を描いた作品です。第一部は欧美学園の数年後、第二部は前作に登場したバンド「HAPPY CYCLE MANIA」を中心に物語が展開します。新たなキャラクターが登場し、前作からの登場人物たちもそれぞれの道を歩む様子が描かれています。

キラ☆キラ 〜Rock'n'Roll Show〜

PlayStation 2に移植された『キラ☆キラ 〜Rock'n'Roll Show〜』は、PC版をベースに、新曲の追加、ストーリーやキャラクターの追加、表現の変更など、多くの要素が追加されています。さらに、実在のバンドであるニューロティカも出演している点も大きな特徴です。

その他メディアミックス

『キラ☆キラ』は、ゲーム以外にも、OVA『キラ☆キラ 5th Anniversary Live Anime KICK START GENERATION』や、コミック版、アンソロジーコミック、ビジュアルファンブックなどの関連商品も多数展開されています。これらの作品を通して、『キラ☆キラ』の世界観はさらに広がっています。

まとめ

『キラ☆キラ』シリーズは、青春、音楽、友情、そして成長という普遍的なテーマを、魅力的なキャラクターとこだわりの音楽で描いた作品です。様々なメディアミックス展開を通じて、多くのファンを魅了し続けています。

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