キングダム・カム

キングダム・カム (Kingdom Come)

キングダム・カムは、アメリカとドイツの二国籍によるヘヴィメタル・バンドで、1980年代に創設されました。バンドの中心的存在であるレニー・ウルフの情感豊かなボーカルが特長であり、初期の作品にはレッド・ツェッペリンやハンブル・パイ、ジミ・ヘンドリックスから影響を受けたブルースロックが色濃く表れています。当初はアメリカのハードロックシーンで注目を集め、デビューアルバムがゴールドディスクを獲得するなど華々しい成功を収めましたが、その後の活動においても多くの変遷を遂げています。

結成とデビュー (1980年代 - 1988年)

レニー・ウルフは、ストーン・フューリーの元メンバーとして成功を収めた後、アメリカに戻り、ギタリストのダニー・スタッグ、リック・ステイアー、ドラマーのジェイムス・コタック、イタリア出身のベーシスト、ジョニー・B・フランクと共にキングダム・カムを結成しました。1988年には、プロデューサーのボブ・ロックの支援を受けてデビューアルバムのレコーディングが行われ、タイトル作品『キングダム・カム』は瞬く間にヒットしました。この作品は、音楽誌に「なぞのバンド」と称され、特にリード曲「ゲット・イット・オン」はラジオエアプレイを得て、彼らの名声を広めました。

活動の初期の成功とその後の批判

彼らのハードロックスタイルは、レッド・ツェッペリンとしばしば比較され、その類似性から批評家たちから激しい批判が寄せられることになりました。バンドが「クローン」とされる中で、そのイメージは次第に彼らの活動に影を落とし、セールスにも影響を及ぼすこととなります。このため、彼らは1989年に出版したセカンドアルバム『イン・ユア・フェイス』が期待されたほどの成功を収められず、同年に解散が発表されることとなりました。

ソロ活動と新たな試み (1990年 - 2000年)

解散後、ウルフはキングダム・カムの名義でソロ活動を続ける決意をし、1991年には『ハンズ・オブ・タイム』をリリースしました。このアルバムでは、彼自身がプロデュースする形で、よりメロディアスなハードロックを展開しましたが、アメリカでの人気は薄れていきました。彼はドイツを拠点に活動を続け、数枚のアルバムをリリースし、1996年には『トワイライト・クルーザー』を発表。時折セッションミュージシャンとのコラボも行い、彼の音楽スタイルの幅を広げていきました。

新生キングダム・カム (2018年 - 現在)

2018年には、デビューから30周年を迎え、新たにメンバーを迎えて再集結を果たしましたが、レニー・ウルフの不参加により新たなボーカリストとしてキース・セント・ジョンが加わりました。しかし、2024年には創設メンバーのジェイムス・コタックが死去する悲劇が起こり、その後、ボーカリストやドラムの陣容が再編成され、新たな形で活動が継続されることとなります。

まとめ

キングダム・カムはその誕生以来、様々な困難や変化を経ながらも、世界中のファンに愛されてきたバンドです。彼らの音楽は、今でも多くの影響を及ぼしており、これからの活動にも大いに期待されます。

もう一度検索