キンチョール

キンチョール：日本の家庭を守り続ける殺虫剤の歴史

キンチョールは、大日本除虫菊（金鳥）が製造・販売する家庭用殺虫剤であり、1934年の発売以来、日本の家庭で広く使用されてきました。その長い歴史の中で、キンチョールは様々な進化を遂げ、多様な製品ラインナップを展開しています。

キンチョールの誕生と進化

1934年、キンチョールは小型噴霧器専用の液体殺虫剤として誕生しました。その名前は「金鳥」と「オイル」を組み合わせたもので、当時は噴霧器で液体を直接害虫に吹き付ける方式でした。1952年には、日本初のエアゾール式殺虫剤として、現在主流となっているエアゾールタイプのキンチョールが発売されました。2017年には、その歴史的価値が認められ、蚊取り線香などと共に日本化学会認定の化学遺産に登録されています。

キンチョールの効能

キンチョールは、主に以下の害虫に対する効果があります。

ハエ
蚊
ゴキブリ
ノミ
ナンキンムシ
イエダニ
クモ

これらの害虫に対し、優れた殺虫効果を発揮します。有効成分としては、ピレスロイド系のd-T80-フタルスリンやd-T80-レスメトリンなどが使用されています。かつては除虫菊由来のピレトリンが主成分でしたが、1965年頃からピレスロイド系に切り替えられました。

多彩なラインナップ

キンチョールは、様々なニーズに応えるため、多岐にわたる製品ラインナップを展開しています。

家庭用殺虫剤

キンチョール（レギュラータイプ）: 標準的なエアゾールタイプで、ジャスミンの香りが特徴です。
キンチョール ローズの香り: レギュラータイプと同様の効果を持ちながら、バラの香りが楽しめます。
キンチョール ハエ・蚊ハンター: 油性ジェットタイプで、強力な殺虫効果を発揮します。
水性キンチョールジェット: 水性タイプで、人や環境に配慮した製品です。缶を振らずに使用できるのが特徴です。
カメムシキンチョール（家屋用）: カメムシ専用の殺虫剤です。
ムカデキンチョール: ムカデ専用の殺虫剤です。
アリキンチョール: アリ専用の殺虫剤です。
イヤな虫キンチョール: ムカデ、ケムシ、ヤスデ、クモなど、様々な不快害虫に効果があります。
園芸用キンチョールE: 園芸用の殺虫剤で、住友化学園芸が発売元です。

業務用殺虫剤

キンチョール液: 業務用向けの液体殺虫剤です。
キンチョールD: プロ向けのハエ・蚊駆除剤です。
プロ用キンチョールT: トコジラミ、ゴキブリ、ノミ、イエダニ、マダニの駆除に特化した製品です。
カメムシ用キンチョール乳剤: カメムシ駆除用の乳剤です。
園芸用キンチョールE（生産農家用）: 生産農家向けの園芸用殺虫剤で、JA全農が発売元です。

虫よけスプレー

虫よけキンチョールDF パウダーイン: パウダー入りの虫よけスプレーです。
虫よけキンチョールDF パウダーフリー: パウダーなしの虫よけスプレーです。
虫よけキンチョール パウダーイン ローズの香り: ローズの香りの虫よけスプレーです。
虫よけキンチョール パウダーイン シトラスミントの香り: シトラスミントの香りの虫よけスプレーです。

テレビCMと流行語

キンチョールのCMは、1951年から放送されており、タレントを起用したコミカルな演出で多くの話題を呼びました。CMから生まれた流行語や決め台詞も数多く存在します。

ルーチョンキ（1969年）
ハエのムサシは死んだのさ（1973年）
トンデレラ、シンデレラ（1977年）
ハエハエカカカ、キンチョール、よろしいんじゃないですか（1981年）
ムシムシコロコロ、キンチョール（1985年）
つまらん!お前の話はつまらん!（2002年）
キンチョリンコ（2010年）
* これ、日本を代表する殺虫スプレーやね（2017年 - 2022年）

まとめ

キンチョールは、長年にわたり日本の家庭を守り続けてきた殺虫剤です。その効果と信頼性は広く認められており、これからも日本の家庭で愛用され続けることでしょう。

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