クエスター

クエスター（QUESTER）

『クエスター』は、1987年にバンダイナムコエンターテインメント（当時はナムコ）から出されたアーケードゲームです。このゲームは、当時流行していたブロックくずし系アーケードゲームの一つとして登場しました。特に、タイトーの『アルカノイド』に触発された作品であり、プレイヤーは宇宙船を操作してエナジーボールをはじきながら、さまざまなブロックを破壊する役割を担います。

ストーリー

ゲームの物語は、宇宙船「ハインダー号」が長い航海を経て地球に帰る途中、宇宙生命体「ブリーダー」に行く手を阻まれるところから始まります。プレイヤーは、ハインダー号を操作しながら、数多くのラウンドをクリアしていく必要があります。

ゲームシステム

『クエスター』には、合計33ラウンドが用意されています。ゲームは、パドル（ハインダー号）を左右に動かしてエナジーボールを跳ね返し、画面上の破壊可能なブロックを全て壊すことでラウンドをクリアします。エナジーボールが画面下に落ちるとミスとなり、ハインダー号が全滅するとゲームオーバーです。

エナジーボールは、壁に当たることで徐々にスピードが上がります。ただし、横壁に56回当たると分裂してスピードが半減します。分裂の前兆として、エナジーボールが光り始めます。また、ラウンドクリア時には「（2分－クリアにかかった時間）×1秒につき100点」のボーナス得点が加算され、制限時間が設けられています。もし時間が2分を超えてもミスにはならず、そのままプレイは続けられます。

さらに、7の倍数のラウンドでは特別なボーナスステージが待っており、8個のエナジーボールが登場します。プレイヤーは15秒以内にブロックを全て破壊する挑戦を受けます。ボーナスステージではミスもなく、全滅させた場合は特別なボーナス点が獲得できます。

ブロックの種類

ゲーム内には様々な種類のブロックが登場します。ノーマルブロックは1回当たると消え、耐久ブロックは数回当たる必要があります。また、ブリードブロックと呼ばれる増殖ブロックは、セグメントが徐々に消えていきます。さらに、エナジーボールの速度を操作するスピードUPおよびスピードDOWNブロックも存在します。

アイテム

ブロックの破壊によって出現するさまざまなアイテムも魅力の一つです。例えば、「グロリアル」というアイテムを取るとハインダー号が横に伸びる効果があり、「ライナル」は画面最下部にラインを引き、エナジーボールを一度だけ弾き返すことが可能です。これらのアイテムは、プレイヤーの戦略に大きく影響を与えます。

開発と移植

『クエスター』は、発売当初から多くのプレイヤーに愛され、2009年にはWii向けにバーチャルコンソールとして移植されました。開発スタッフの平均年齢が28歳であったことも話題となり、プロデューサーの岩谷徹や音楽担当の細江慎治が関わったことも特筆すべき点です。

当時、公式なフライヤーではラウンド9の攻略法やオリジナルの面デザインを募集するコンテストが行われ、これにより新たなステージが登場するなど、コミュニティとの結びつきも見せた作品です。全体的に『クエスター』は、シンプルでありながら深い戦略性を持つ魅力的なアーケードゲームとして記憶されています。

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