クレバス

クレバスとは

クレバス（crevasse）は、氷河や雪渓に見られる深い割れ目を指します。この用語は片仮名で「クレヴァス」とも表記されます。クレバスは一般的に壁面がほぼ垂直で、その幅は数センチメートルから数メートルとさまざまです。底部までの深さはおおよそ10メートル前後ですが、時には数十メートルに達することもあります。これらのクレバスの底には、圧縮され固まった氷が存在し、場合によっては氷が溶けて流れる水が見られることもあります。

隠れたクレバス

中でも危険なのが、ヒドゥンクレバス（hidden crevasse）です。これはクレバスの表面が雪に覆われているため、目に見えず、登山者がうっかり踏み外してしまう危険性があります。このため、発見が難しく、事故が発生することが少なくありません。

事故の例

クレバスに関連する事故は非常に多く、その中には悲惨な結果を伴うケースもあります。例えば、1981年6月10日には、天山山脈のボゴダ峰の氷河上で、京都山岳会登山隊に所属していた29歳の女性隊員が下山中に隠れたクレバスに落下しました。彼女の声は数十メートル下の隙間に響いたものの、救助は届かず、最終的には彼女自身が生還を断念せざるを得なくなりました。彼女の遺体は14年後に発見されています。

安全対策

登山を行う際はクレバスを避けることが基本ですが、どうしても越えなければならない場合には、適切な安全対策を講じる必要があります。典型的な対策としては、綱や梯子を使用して渡る方法があります。また、極地での調査や滑落者の救助のためにクレバスに入ることもありますが、その際には十分な安全装備が求められます。

季語としてのクレバス

季語としての「クレバス」は、主に夏の晩夏に関連する地理的な用語として扱われます。親季語には「雪渓」があり、自然に関連した表現が多様されます。

その他の文化的側面

登山中に遭難し遺体の回収が困難な場合、クレバスに埋葬されることが慣習としてあります。このように、クレバスは自然の厳しさとともに、登山者の危険を象徴する存在でもあります。

参考文献と関連項目

• - 参考文献: Blue Iceの「CREVASSES」
• - 関連項目: 雪氷現象、氷河、雪渓、ムーラン、亀裂

クレバスに対する理解を深め、その危険性を認識することで、より安全な登山活動を行うことが求められています。

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