クレンザー

クレンザーとは

クレンザーは、主にケイ酸鉱物などの研磨材を配合した洗剤で、食器や金属器などの洗浄に用いられます。日本の家庭用品品質表示法では、「研磨材及び界面活性剤その他の添加剤から成り、主として研磨の用に供せられるもの（つや出しの用に供せられるものを除く）」と定義されています。

概要

クレンザーの最大の特徴は、研磨材が含まれている点です。この研磨材が、表面に付着した汚れを物理的に削り取ることで、通常の洗剤では落としにくい焦げ付きやサビなどの頑固な汚れを除去します。現在主流のクレンザーに含まれる研磨成分は、数十μm程度の微細な粒子で、素材を傷つけにくいように工夫されています。

ただし、研磨材は硬度が高いため、使用する素材には注意が必要です。漆器や塗装面に使用すると、表面を削り取ってしまう恐れがあります。また、金や銀などの貴金属も傷つきやすく、光沢を損なう可能性があるため、使用は避けるべきでしょう。

クレンザーには、大きく分けて粉末タイプと液体タイプがあります。この違いは、研磨材の含有量にあります。粉末クレンザーは研磨材の割合が約90%と高く、洗浄力に優れています。一方、液体クレンザーは研磨材の割合が50%前後と低く、粉末が飛び散る心配がないため、扱いやすいというメリットがあります。どちらのタイプも用途や成分に大きな差はありませんが、洗浄力や使いやすさなどを考慮して選ぶと良いでしょう。

歴史

クレンザーが登場する以前は、炭酸カルシウムを主成分とする「磨き砂」が金属器の研磨に使われていました。しかし、磨き砂は単に表面を磨くだけで、洗浄力は高くありませんでした。大正時代に入ると、日本で磨き砂に石鹸などの洗浄成分を配合したクレンザーが開発され、台所用品の洗浄に特化した洗剤として普及しました。

その後、石鹸に代わって合成洗剤が使われるようになると、クレンザーにも合成洗剤が配合されるようになります。また、研磨材も炭酸カルシウムから、シリカやゼオライトなどのケイ酸を主成分とするものに変化していきました。クレンザーは昭和時代前半から一般家庭に普及し、昭和中期には広く利用されるようになりましたが、高性能な合成洗剤の登場により、台所用洗剤の主流はそちらへと移っていきました。

現在でも、クレンザーは流し台やガスコンロなどの、特に頑固な汚れの洗浄には欠かせない存在です。焦げ付きや水垢など、通常の洗剤では落としきれない汚れに対して、クレンザーはその研磨力で効果を発揮します。

注意点

クレンザーを使用する際は、以下の点に注意してください。

傷つきやすい素材には使用を避ける
使用前に目立たない場所で試してから使用する
使用後は十分に洗い流す

これらの注意点を守り、クレンザーを正しく使用することで、より効果的に、そして安全に汚れを落とすことができます。

関連項目

ライオンホワイトクレンザー

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