クンバカルナ

クムバカルナ

クムバカルナ（梵: कुम्भकर्ण, Kumbhakarṇa）は、インドの叙事詩『ラーマーヤナ』および『マハーバーラタ』に見られる重要なキャラクターで、強力なラークシャサ（鬼）として知られています。彼はラークシャサ族の王スマーリンの娘カイカシーとヴィシュラヴァスの息子で、兄弟にラーヴァナ、ヴィビーシャナ、シュールパナカーがいます。

特徴と外見

クムバカルナは、ランカー島で最も大きな体格を誇る存在で、巨体はまるで山のようです。彼の広大な口と黒い肌は、恐ろしい印象を与えます。彼から発せられる悪臭は血と脂の匂いであり、彼の吐く息は強風のようでした。怒りを表すと、火をはきあげることもあり、その雄たけびは雷のような轟音を生み出します。そのため、彼は無限とも言える食欲を持っており、彼の食事の仕方は生き物の創造すらも無に帰すものでした。このため、彼は特定の呪いを受けることになりました。

呪いと眠り

クムバカルナは生まれてすぐ、飢えから生物を次々と食べてしまったため、インドラ神の怒りを買ってしまいます。インドラは彼をヴァジュラで攻撃しましたが、怯むことなくインドラを返り討ちにしました。この騒動に対してブラフマー神が介入し、永遠の眠りに就く呪いをかけました。しかし、ラーヴァナがその呪いの緩和を求めた結果、ブラフマーは彼に6か月間の眠りと1日だけの目覚めを保証する呪いに変更しました。

目覚め

ラーマとラーヴァナの戦争が起こった際、クムバカルナの眠りはまだ始まったばかりでした。ラーヴァナは自軍が敗北する中で、クムバカルナを目覚めさせるよう命じました。1万のラークシャサたちが彼に食料を持参し、大騒ぎで彼を起こそうとしましたが、初めは何も変わりませんでした。そのため、彼らは棍棒で攻撃したり、耳に水を注いだり、最終的には1万頭の象を使って彼を踏みつけさせました。その結果、クムバカルナは目を覚ますこととなります。

戦闘

目を覚ましたクムバカルナは、参戦すると猿たちを容易に打ち倒し、特にハヌマーンや他の猿の将を次々と圧倒しました。猿王スグリーヴァに対してはマラヤ山を投げつけるほどの力を見せます。しかし、彼は油断し、スグリーヴァの反撃を受けて致命傷を負います。クムバカルナは怒りに任せ、猿やラークシャサたちに攻撃を加え、ラーマに突進しました。

ラーマは彼の四肢を切り落とすものの、クムバカルナはなおも口を開いて飲み込もうとしました。そこでラーマは特別な矢を放ち、彼の口がいっぱいになるほど撃ち込み、苦しむ彼の首をインドラの矢で切り落としました。結果として、クムバカルナの巨体は海へ沈んでいくこととなりました。

ギャラリー

• - 関連項目: ラーヴァナ、インドラジット、羅刹、トリプラースラ、クンバカルナ (山) - ヒマラヤ山脈の一部。

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