グランデ

グランデとは何か

グランデ（スペイン語・ポルトガル語で「大きい」という意味）は、中世から近世にかけて、カスティーリャ王国、ポルトガル王国、そしてブラジル帝国の宮廷で存在した特権的な地位を指します。この制度は、ある種の貴族に与えられる特権に基づいており、特にカスティーリャ王国の貴族にとっては非常に名誉ある地位とされています。

特権の内容

グランデとして認められることにより、その貴族は特定の義務から解放されます。具体的には、国王の前で帽子を脱ぐこと（男性の場合）や起立すること（女性の場合）が免除されるという特権です。このような特権を持つ者は、国王から「○○○、着帽のままで良い」と認められることで正式にグランデとされ、その後、この地位は世襲によって受け継がれます。この特権は重要視されており、貴族が持つ爵位の上下よりも重視されることがしばしばでした。

たとえば、ある貴族家が公爵位を持ちながらグランデの特権を持っていない場合、伯爵位の方が名誉として高く評価されることもありました。実際には、オリバーレス公爵のように、彼の伯爵としての地位を名乗ることさえありました。このようにして、グランデの特権は貴族の社会的地位を確立する重要な要素となっていたのです。

授与の背景

一般的にグランデの特権は、伯爵以上の地位をもつ貴族に与えられますが、他国からの帰化者にも授与されることがあります。たとえば、スピノラ家の当主アンブロジオ・スピノラはジェノヴァからスペインに帰化した直後の1620年代に、ロス・バルバセス侯爵位と共にグランデの特権を受けました。この事例は、外国からの貴族がいかにその国の上流社会に溶け込み、重要な地位を築くことができるかを示しています。

結論

グランデの存在は、王国の貴族制度の一端を形成する重要な要素であり、特権の保持は名誉や地位を大いに象徴するものでした。この特権制度は、時代を超えて貴族社会のダイナミズムや名誉の概念に影響を与え、今なおその影響を感じさせるものとなっています。

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