コザン

コザン（Cosan S.A.）は、ブラジル・サンパウロ州に本社を構える、バイオエタノール製造を主軸とする企業です。1936年の創業以来、サトウキビの精製を基盤として事業を展開してきました。1980年代に入ると、サンパウロ州内のサトウキビ工場の積極的な買収を通じて、事業規模を拡大。現在では、サトウキビの買い付けから、砂糖やアルコール製品の生産までを一貫して行う体制を確立しています。

コザンは、世界全体の砂糖生産量の約5％、アルコール生産量の約4％を担う、業界における主要なプレイヤーです。サンパウロ州には、広大な50万ヘクタール（サンパウロ市の約4倍の面積に相当）のサトウキビ畑を所有し、17の工場を稼働させています。これらの事業活動は、サンパウロ州内で35,000人もの雇用を創出しており、地域経済に大きく貢献しています。また、ブラジル国内では「Açucar União」と「Da Barra」というブランド名で砂糖製品を販売しています。

コザンの株式は、サンパウロ証券取引所とニューヨーク証券取引所の両方に上場しており、グローバルな投資家からの関心も高い企業です。

事業拡大

2008年4月24日には、コザンはブラジル国内におけるエクソンモービルの下流部門を買収しました。この買収によって、コザンはブラジル国内での砂糖・アルコール生産における地位を一段と強化することに成功。さらに、ブラジル全体のサトウキビ生産量の約10％に相当する5600万トンものサトウキビを掌握しました。この結果、コザンが運営する工場の数は23に増加し、生産能力が大幅に向上しました。

コザンは、サトウキビの栽培から製品の販売までを自社でコントロールする垂直統合型モデルを採用しています。これにより、コスト効率を高め、市場の変化に迅速に対応できる強みを持っています。また、ブラジル国内だけでなく、国際市場での競争力も維持し、さらなる成長を目指しています。

近年では、サトウキビ由来のバイオエタノールが、環境負荷の低い代替燃料として注目を集めており、コザンは、この分野におけるリーダーとしての地位を確立しています。また、バイオ燃料の需要増加に伴い、その事業規模も拡大を続けています。コザンは、環境問題への関心の高まりと、再生可能エネルギーへの転換という世界的なトレンドを背景に、今後も成長が期待される企業です。

コザンの事業活動は、ブラジル経済の発展に大きく貢献しており、雇用創出や地域経済の活性化に重要な役割を果たしています。また、バイオエタノール生産を通じて、環境負荷の低減にも貢献しており、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを推進しています。

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