コサージュ

コサージュは、女性がドレスや衣服につける花飾りのことです。生花や布・紙で作られた造花、リボン、チュールなどを材料とし、慶事などの特別な機会に装いを引き立てるために用いられます。一般的には、肩、胸、腰といった胴体部分や、手首などに着けられます。

コサージュの語源は、婦人服の胴体部分を意味するフランス語の「Corsage」に由来します。興味深いことに、フランス語には日本語の「コサージュ」に相当する単語が存在しないため、「胴体にピンで留めて付ける小さな花束」のように説明的な表現をする必要があります。

男性が礼服の上着に用いる花飾りは、コサージュとは区別され、「ブートニエール」と呼ばれます。ブートニエールは、通常、ジャケットの襟のボタンホールに挿して使用されます。

コサージュの材料は多岐に渡ります。生花を使用する場合は、花の種類や色合いはもちろんのこと、衣服を汚さないように、また、時間が経つにつれて変色したり、型崩れしたりしないように注意が必要です。造花を使用する場合は、より耐久性に優れ、様々なデザインに対応できます。リボンやチュールなどを組み合わせることで、さらに華やかさを演出することも可能です。

コサージュを制作する際には、身に着ける人の衣服を汚さないこと、色移りしないこと、耐久性があること、そして、着用時に不自然な方向を向かないように配慮することが重要です。これらの点に注意することで、美しく、そして快適なコサージュを作ることができます。

コサージュは、卒業式や入学式、結婚式などの慶事の場で、装いを華やかに彩るアイテムとして広く用いられています。近年では、フォーマルな場だけでなく、カジュアルな装いにも取り入れられることがあり、ファッションアイテムとしての人気も高まっています。手作りのコサージュは、個性を表現する手段としても注目されています。

コサージュは、その美しさだけでなく、身に着ける人の気持ちを高揚させる効果もあります。特別な日に、コサージュを身に着けて、より華やかな気分を味わってみてはいかがでしょうか。

参考文献
坪田歓一 『家庭百科大事典7』 暁教育図書、1967年
飯田深雪、飯田倫子 『コサージュ』 婦人画報社、1978年
田中千代 『新・田中千代服飾事典』、同文書院、1991年
阿部幸子、 田村照子、丹羽雅子、山名信子、鷹司綸子、中島利誠、藤原康晴、弓削治 編 『被服学辞典』 朝倉書店、1997年

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