コロナちゃん

コロナちゃん：新型コロナウイルスを擬人化したキャラクター

「コロナちゃん」（Corona-chan）は、2020年に登場し、新型コロナウイルス（SARSコロナウイルス2）を可愛らしく擬人化したキャラクターです。主に4chanやRedditなどのオンラインフォーラムで流行し、日本ではX（旧Twitter）上で新型コロナウイルスの感染情報を配信するマスコットキャラクターとしても採用されています。

概要

コロナちゃんが初めて制作されたのは2020年1月のことで、4chanの/pol/|_pol_板で誕生しました。先行するキャラクターの「エボラちゃん」に影響を受けた彼女は、赤いチャイナドレスを着用し、コウモリの翼を持った少女として描かれています。髪にはウイルスを象徴する棘付きの球体が飾られ、手にはコロナビールを持っている姿が多く見られます。

コロナちゃんは、その特徴的な外見に加えて、五星紅旗を掲げたり、コウモリのスープを手渡すポーズをすることもあります。このキャラクターは、特に感染症の情報発信を行う際にそのビジュアルを用いたことから、一種のブランディング効果をもたらしました。

彼女を題材にしたイラストは、サブレディットのr/coronachanで約2000人のメンバーにより投稿され続けており、その数は増え続けています。特にLushsuxにより制作された壁画では、マスクを着用した有名なYouTuber、ピューディパイの背後からコロナちゃんが覗くユーモラスなシーンが描かれています。このように、コロナちゃんは伝染病とその影響についてのユーモアを交えたメッセージとして捉えられることもあります。

反応と論争

コロナちゃんは、キャラクターの人種的側面やその表現方法について賛否が分かれる存在となっています。ヴァイス・メディアのサマンサ・コールは、彼女が明らかに中国人として見えるため、人種問題を引き起こす可能性があると指摘しつつも、暗いニュースの中で気楽さを提供する役割も果たしていると述べています。

また、中国メディアの新浪はコロナちゃんの誕生を日本に帰属させる誤報を流し、その特徴を日本鬼子と関連付けるなどの問題も発生しました。このような混乱が続く中、非中国人女性がコスプレした写真を投稿した際には、賛否が巻き起こり、一部の中国ユーザーからの批判を購いました。彼女は感染症の予防意識向上を目的としていたと説明しましたが、全体的に見て国際的な反応は二極化しています。

特に、コスプレイヤーのヤヤ・ハンは、コロナちゃんのコスプレがナチスのコスプレと同レベルで受け入れられないと警告し、コスプレを行う際はテーマ選びを慎重に行うことが必要だと呼びかけています。

加えて、ミハウ・ラドミル・ヴィシニェフスキは、このミームが国に対する偏見を助長する恐れがあることを懸念し、作品例として示したコロナちゃんの吸血鬼のコスチュームを取り上げ、その危険性について警鐘を鳴らしました。

それでも、コロナちゃんは多くのファンを持ち続け、2022年には東京オープンデータカタログの活用事例としても紹介されるなど、その存在は根強いものとなっています。彼女を通じて示されるユーモアは、根本的には新型コロナウイルスの脅威を軽視するのではなく、受け入れる一つの方法とも言えます。これからも、コロナちゃんはネット文化に様々な影響を与え続けることでしょう。

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