コーンロウ

コーンロウとは

コーンロウ（英: cornrow）は、頭髪のスタイリング技法の一つで、独特な編み方によって特徴的なデザインを作り出します。この名前は、編まれた髪型がトウモロコシの粒のように見えることから由来しています。

特徴

コーンロウを作るためには、髪の長さが最低でも15cm必要であり、長いほど編むのが容易になります。基本的には、頭髪をいくつかのブロックに分け、そのブロックごとに髪を三つ編みにして頭皮に沿って編み込んでいきます。全体的に編むこともあれば、前半分や側頭部などの一部だけを編むこともあります。

コーンロウはセットに近い形なので、持続期間は比較的短く、約10日程度で緩んできてしまいます。特に、直毛のアジア人の場合、編み目がほどけやすい傾向がありますが、縮毛の黒人の方がこのスタイルを維持しやすいです。したがって、アフロパーマをかけた後にコーンロウを施すと、持続性が増すという特徴があります。

編み方とアレンジ

コーンロウの基本的な編み方は、頭の前から後ろに向かって一直線に編み進めるスタイルです。一般的には、前頭部に12本から20本の三つ編みを編み込むことが多いですが、ブロックの配置によっては曲線や交差させることも可能です。近年では、複雑なパターンを用いたコーンロウも人気を集めています。

加えて、ヘアーエクステンションを使用することで、髪のボリュームを増やしたり、カラーエクステンションでアクセントを加えたりする技法も一般的になっています。

一方で、後頭部から通常の三つ編みをほどいて後ろ髪を垂らすスタイルはブレイズ（Braids）と呼ばれ、コーンロウとは異なるスタイルです。

健康への影響

コーンロウを編む際には、髪に強いテンションをかけるため、頭皮に痛みを感じることがあるほか、血行不良から毛根が炎症を起こす可能性もあります。このため、スタイリングを行う際には注意が必要です。

また、髪型がスタイリングされることで、洗髪が難しくなり、その結果スタイルの寿命が短くなります。どうしても髪を洗いたい場合は、分け目に沿って地肌だけ洗う方法が推奨されています。コーンロウを外す際は、編んだ時の逆の手順で解いていきます。

歴史

コーンロウや三つ編みのスタイルは、非常に古い歴史を持っています。最古の記録は、現代フランスやオーストリアで見つかった約2万5000～3万年前の彫像に見られます。また、サハラ砂漠のタッシリ高原に存在する石器時代の絵画には、コーンロウをしている女性の姿が描かれています。この絵画は、紀元前3000年に遡ります。

古代クシティ人による三つ編みの描写が紀元前2000年のアフリカの角地域にも見られ、さらにローマ時代には女神ウェスタに関連した伝統的なヘアスタイルにコーンロウが含まれていました。コーンロウのスタイルは、アフリカ全域で広まり続けており、特に西アフリカやアフリカの角で根強い人気を誇っています。男性のコーンロウは、古代ギリシアの彫刻にも見られるように、戦士や英雄としての髪型としても使われてきました。

日本の学校でのコーンロウ

日本の一部の学校では、コーンロウが不適切な髪型と見なされている場合もあります。2023年、兵庫県姫路市の県立高校において、アフリカ系アメリカ人の父親を持つ男子生徒がコーンロウにした結果、校則違反として卒業式で隔離されるという出来事がありました。この問題について、兵庫県教育委員会は「教育的配慮に欠けた対応であった」と認識しています。

結論

コーンロウは、歴史的及び文化的に重要なヘアスタイルであり、現代でも様々なアレンジがされている髪型です。その重要性と美しさを理解し、文化的背景を尊重することが求められています。

もう一度検索