コボ

コボ (Rakuten Kobo Inc.)

コボは、カナダのトロントを本拠とする電子書籍リーダーおよび電子書籍の販 売を行う企業です。2009年に設立され、2012年1月に楽天の子会社となりました。コボという社名は「book」のアナグラムです。コボはインディゴ・ブックス・アンド・ミュージックの一部門としてスタートし、後に独立した企業となりました。電子書籍リーダーの製造だけでなく、BlackBerryやiPad、iPhone、Android端末向けのアプリも開発しています。

事業展開と戦略的提携

コボは長江実業、W・H・スミス、ウィットコウルズ、フナックといった企業と戦略的なパートナーシップを築いています。また、2011年には出版部門を設立し、2012年にはフランスの電子出版ソリューション企業Aquafadasを買収しました。これにより、電子書籍の配信能力とサービスの強化を図っています。

コボ電子書籍ストア

コボのウェブサイトを通じて、電子書籍や新聞、雑誌が購入可能です。ボーダーズが運営していた電子書籍ストアからのダウンロードも行えたが、同ストアが閉鎖されたことで、ボーダーズの利用者は自動的にコボの書庫に移転できるようになりました。

楽天による買収

2011年にインディゴがコボの株を楽天に売却し、2012年1月に取引が完了しました。コボはその後社名を「Rakuten Kobo Inc.」と変更し、楽天の戦略的な一環として日本市場に進出しました。2012年には、Kobo Touchという電子書籍リーダーが日本で発売され、同時に楽天のkoboイーブックストアでコンテンツの配信が始まりました。

日本での展開とトラブル

日本市場においては、2012年7月に新しいkoboイーブックストアが開設されましたが、開設初期には多くの不具合が報告されました。これに伴い、レビューが閉鎖される事態も発生しました。例えば、『Kobo Touch』に関しては充電や接続の問題、デスクトップ版の不具合など、多岐にわたるトラブルがあり、消費者からの不満が相次ぎました。これらの問題について楽天社長は修正作業を行い、一定の改善がなされたと述べています。

コンテンツ数の問題

初期のサービス開始時に発表された日本語での書籍数は約3万冊でしたが、実際には1万8894冊にとどまり、またその66.4%が無料書籍という結果が明らかになりました。このような事態が消費者庁からの指導を引き起こし、景品表示法に関連する問題として行政からの指導が入りました。

製品ラインナップ

コボの製品には、Kobo eReader、Kobo Wireless eReader、Kobo Touch、Kobo Glo、Kobo Mini、Kobo Aura HD、Kobo Aura H2O、Kobo Glo HDなどの各種電子書籍リーダーが含まれています。日本向けにはいくつかの製品が未発売ですが、海外では形状や機能が異なるバージョンが提供されています。

サポートの現状

コボは自前のユーザーフォーラムを持たず、MobileReadというプラットフォームを使用してファームウェアの改善を行っています。しかし、楽天からのサポートには不十分な面があり、特に古いモデルに対する更新が滞っているため、ユーザーからの不満が聞かれることがあります。国内版と海外版のサポートに差が見られる中、ユーザーは最新のファームウェアを入手し、機能のアップデートを享受することが可能です。

このように、コボは電子書籍業界において一定の存在感を示しつつありますが、さまざまな課題や改善点が指摘されています。未来に向けて、さらなる発展が期待される企業です。

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