ゴールボール

ゴールボールの概要

ゴールボールは視覚障がい者が楽しむことができる球技で、選手は目を隠しながら鈴の音を頼りにボールを転がして得点を競います。この競技は、第二次世界大戦で傷を負った兵士たちのリハビリテーションを目的に1946年に考案され、その後、パラリンピックの正式種目として確立されました。

ルールと試合形式

試合は、1チーム3名の選手による対戦形式で進行します。ゲームは前半12分、後半12分、ハーフタイム3分の合計27分で構成され、得点を競います。ボールが相手ゴールに入ると1点が加算され、試合終了時に得点が多い方が勝者です。視力の差が出ないよう、全選手はアイシェードを着用する必要があります。

試合が同点の場合は、延長戦に突入します。延長戦は前後半各3分のゴールデンゴール形式で行われ、延長戦にも決着がつかない場合はエクストラスローと呼ばれる特別な方式で試合が続行されます。

競技用具

選手はジャージを着用し、アイシェードやガーゼの眼帯をつけて、試合中は鈴の音を頼りに競技に臨みます。使用するボールは、直径約24 cmで、重さは1.25 kgのゴム製であり、内部には鈴が入っています。ボールの表面には音を発生させるための小さな穴が空いており、その音を聞くことで選手はボールの位置を把握します。

選手はアイパッチを使用して視覚を完全に遮断し、目隠しは特に重要です。アイシェードが動かないよう、審判が試合中も確認を行い、選手が規則に従っているか監視します。また、ユニフォームには選手番号を明確に表示する必要があります。

競技環境

競技は屋内の専用コートで行われ、サイズは縦18 m、横9 mです。コートの両端にはサッカーゴールに似た高さ1.3 m、幅9 mのゴールが設置されています。このような環境で試合は進行し、観客は選手の音に集中できるように静かに観戦しなければなりません。

歴史

ゴールボールの発祥は1946年にオーストリアとドイツで始まりました。1976年にはトロントパラリンピックで公開種目となり、1980年から正式種目として取り入れられました。その後、世界選手権や欧州選手権など様々な国際大会が開かれ、活動の場は広がりを見せています。日本では1982年に競技が紹介され、その後、全国で普及が進みました。

日本代表はアテネパラリンピックでメダルを獲得するなど、国際舞台でも実績を残しています。2021年の東京パラリンピックでは、女子チームが銅メダルを獲得し、男子チームも初出場でベスト8に進出しました。

競技の展望

ゴールボールは、視覚障がい者の競技スポーツとして重要な意味を持ち、国際的にも多数の大会が開催されています。これからも多くの人々に愛され続けるスポーツとしての地位を確立していくことでしょう。

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