サイクロン号

サイクロン号

概要

サイクロン号は、日本の特撮テレビ番組『仮面ライダー』シリーズに登場する架空のオートバイで、主に仮面ライダー1号本郷猛と仮面ライダー2号一文字隼人が使用するマシンです。このバイクは単に「サイクロン」とも呼ばれ、仮面ライダーの象徴として広く知られています。

このマシンは、当初は『月光仮面』などのヒーローが専用のオートバイに乗る姿が見られましたが、サイクロン号はそれらのバイクとは異なり、ヒーローのキャラクター性を強めるために特別に設計され、特撮の世界においてその後の作品にも影響を及ぼしました。

テレビシリーズでの登場

サイクロン号は、第1話から登場し、場合によっては「旧サイクロン号」と呼ばれます。本郷猛は、緑川博士の協力によってショッカーの基地から脱出する際にこのマシンを使い、その後の戦闘においても常に頼りにしました。

このバイクは、空気抵抗を軽減するために低い姿勢を保ち、スピードを出すことができます。特に注目すべきは、クラッチ横にあるレバースイッチを操作することで、マシンがフルカウル形態に変形し、ジェットエンジンが始動して急加速する点です。このメカニズムによって、風圧のエネルギーを利用して本郷は仮面ライダーに変身します。また、サイクロン号は遠隔操作や小回りが利くため、通常のバイクとしても優れた機動性を発揮します。

車体には立花レーシングクラブのエンブレムが施されており、フロントのエンブレム内にはレーザーガンが隠されているものの、劇中での使用はありません。サイクロン号のエンジンにはプルトニウム原子炉が搭載されており、ジェットエンジンと組み合わせることでさらにスピードを上げることが可能です。またこのマシンは、6本のマフラーから煙幕を噴射することができ、戦闘時においても役立ちます。

撮影・制作の裏話

サイクロン号の撮影に使用された車両は、そのデザインのために多くの議論を生みました。撮影車両のベースとしてはスズキT20やホンダRC166などの候補が挙げられる一方で、実際に製作に関わった人々の記憶も異なるため、真相は未だ謎に包まれています。デザインにはエキスプロダクションのスタッフが関わっており、昆虫の影響を受けた複眼状のヘッドライトや動きに工夫が凝らされています。

特撮用のミニチュアやカウルの制作も含め、スタッフたちが手を尽くして作り上げたサイクロン号には多くの困難が伴いました。撮影中には、運転の難しさから俳優が事故に遭い、実際に降板を余儀なくされる事態も発生しました。このようにサイクロン号は、デザイン優先の結果として機能性に課題を抱えていましたが、その存在感とカッコよさは視聴者を魅了し続けました。

シリーズの進化

その後、改造サイクロン号や新サイクロン号が登場し、それぞれの作品で異なるスキルや機能を持つ形で進化を遂げました。改造サイクロン号は、基本的には旧サイクロン号からの改良型とされつつも、それぞれの活躍や必殺技が描写されていました。また、新サイクロン号は自動変形機能や高速度での安定性を備えた次世代マシンとして登場し、ファンの心を掴んでいます。

現代の登場

最近の作品においてもサイクロン号は重要な役割を果たしており、『仮面ライダー』の多くの新作において改良されたバージョンが使用され続けています。このように、サイクロン号は仮面ライダーシリーズのアイコンとして、世代を超えて愛されている存在となっています。

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