エキスプロダクション

エキスプロダクションの概要

エキスプロダクションは1966年に設立され、日本の特撮映画界で広く知られる造型制作会社です。東京都調布市に本社を置き、特撮専門の造型を手がけ、多くの映画やテレビ作品にかかわってきました。設立当初は、特撮映画「大怪獣ガメラ」に参加していた八木正夫、村瀬継蔵、鈴木昶の三人を中心に活動が開始されました。社名は「エキスパート集団」を意味し、村瀬が命名しました。

会社の成り立ち

「大怪獣ガメラ」の制作中、当初の作業場が確保できなくなったため、八木の自宅にプレハブを設けたことがこの会社のはじまりです。このプロジェクトが成功したことで、エキスプロダクションはその後も特撮映画の造型に関与し続け、昭和ガメラシリーズや大映制作の「大魔神」など、多くの名作に関わることになります。

また、エキスプロダクションのメンバーは、東映、円谷プロダクション、宣弘社などの特撮作品にも数多く参加しています。特に第一次怪獣ブームの頃には、国内だけでなく海外のプロジェクトにも関与し、韓国や台湾の映画制作にも積極的に取り組みました。人気の「閃電騎士シリーズ」や台湾の「封神榜」など、多岐にわたる造型制作を手がけました。

時代の変化への対応

1971年からは「仮面ライダー」シリーズに参加し始め、東映における美術全般を担当しました。さらに、特撮にとどまらずスポーツやアニメーション分野においても、多様なキャラクターの造型製作を行うようになっています。プロ野球チームやJリーグのマスコット、企業のキャラクター、さらにはアニメの宣伝用着ぐるみなど、広範なジャンルへの進出が見られます。

場所の移転と課題

エキスプロダクションは、造型作業の際に発生する音や匂いが原因で周辺住民からの苦情が多く、これまでに何度も移転を重ねてきました。現在の所在地は、これまでの4か所目となります。

主なメンバー

エキスプロダクションには、創設時から多くの才能あるクリエイターが在籍してきました。八木功が現在の代表取締役を務めており、過去には八木正夫が初代代表として名を馳せました。また、創設メンバーの村瀬継蔵と鈴木昶も、特撮界で名を馳せる存在です。指導者としての役割を果たすメンバーも多く、三上陸男、高橋章、平峰正敬らはそれぞれ異なる経歴を持ちながらもエキスプロダクションに大きく貢献しました。彼らの多くは後に独立し、他の造型制作会社を設立するなど、特撮界に影響を与え続けています。

このようにエキスプロダクションは、創業以来特撮造型の分野で重要な役割を果たし、多くのクリエイターたちと共に日本のエンターテインメントの発展に寄与してきました。

もう一度検索